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公開日:2018.09.03 最終更新日: 2024.04.09

眼瞼後退の治療について

眼瞼後退の治療について 今回はバセドウ病眼症への減圧術ではなく、眼瞼後退の治療について解説します。 バセドウ病眼症では眼球突出するのはご存知の通りですがそれだけではなく、まぶたを引き上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の異常により、片眼もしくは両眼とも眼瞼後退という状態になることがあります。 眼瞼後退になると上方強膜が露出するため、ビックリしたような目になってしまいます。 左右差があるとなおさら強調されてしまい、奇異な目つきになってしまうのです。 活動期での治療方法について 上眼瞼挙筋がまぶたを過剰に引き上げていることが原因です。治療としては、活動期には腫れている筋肉の腫れを抑える治療を行います。つまりステロイドの注射、点滴を行います。 上眼瞼挙筋は眼窩の奥にありますが、当院ではまぶたの上から直接注射をします。 すこし奥の方になるので一般眼科の先生方はなかなか手を出しづらいのですが そこは眼窩の専門家なので(笑)お手の物です。 点滴も同時に行うことがありますが、直接注射の方がパワフルに効くと思います。 ステロイド剤は徐々に吸収されるもので、その効果は約2か月続きます。2か月後に再度、まぶたが上がってしまったらもう一度注射を検討します。 非活動期での治療方法について 非活動期となってしまったら手術が選択肢に入ります。手術には様々な術式があります。 選択肢として、 皮膚切開なのか、結膜切開なのか(表からか、裏からか) 挙筋のどの部分を操作するのか 挙筋を切開するか、切除するのか 挙筋を切離したままにするのか、なにかを入れてくるのか(延長方法の違い) 眼瞼後退への手術で困るのは手術中のまぶたの上がり具合と、最終的な仕上がりが異なる場合があるため、結果の予測ができないことです。 まぶたを下げる手術は予測が出来ないのです。 一方で上げる手術では予測することが出来ます。 だから、手術をして下がりすぎてしまったまぶたを もう一度上げる手術する、といったように複数回の手術が必要になる場合があります。 先週もお一人、他院手術で下がりすぎてしまったまぶたを上げる手術を行いました。 術中はほぼ完ぺきに左右をそろえられたので自信はありますが、 どのような仕上がりになっているか、再診が待ち遠しいです。 専門医へのご相談はこちら 日本では眼形成の専門医師・専門施設が少なく、治療に対する情報量も少ないのが現状です。 その為多くの場合、病気や事故等によって目の周りの表情が変化した患者さんが自分の症状は治らないものだと思い込んでしまい、元の状態に戻す事を諦めてしまっている事が多いと感じています。 決して諦めないでください。まずは専門医にご相談ください。 ご相談はこちらから 「バセドウ病眼症」関連ページ一覧 バセドウ病眼症への治療についての動画     2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら OurAgeに特集していただきました こちらから バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ 「1時間で分かる甲状腺眼症入門パンフレット」   こちらから 現物 こちらから kindle版 こちらから  

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