公開日:2019.12.16
最終更新日: 2024.04.09
活動期の甲状腺眼症の治療を
地元でしてほしい
活動期の甲状腺眼症の治療について
世の中から、活動期の眼症を放置する医療機関がなくなりません。
先週もありました。地方の大学病院の眼科で、神経眼科の担当の先生(つまりその地域ではバセドウ眼症の専門家とされている医師)に診てもらっている方。まぶたは腫れて、眼球は突出し、目は充血し、完全に活動性があるにも関わらず、
活動性の判断に重要なMRIは半年近くも撮影されずに、経過観察されているだけ。
それどころか担当の先生は、「もうこれ以上治らないから開業医にでも紹介しよっか」、
などと言われ、困った末に
3時間以上かかる距離からオキュロフェイシャルクリニック東京に来院されました。
活動期の判断を行うのに、当院で最重要視しているのはMRIですから、
近隣のメディカルスキャニングで撮影して来てもらってからの受診でした。(当院では毎月MRI撮影します)
表情からは困りに困って来院されたことが一目瞭然でしたので、
まずMRIを一緒に見たところ、まだまだ炎症がありましたガーン。
(ガビーン、ズコーッ、という旧時代の擬態語が思い浮かぶ年代)
炎症があるどころか、、、
活動期真っ最中、、、、。
こんな状況でよく開業医に行くように仕向けられたなあと、
ある意味関心してしまったのですがご本人は必至ですし。
考えてまた後日、という距離では無いので、
当日、トリアムシノロンの注射を行いました病院。
この患者さん、筋肉の腫れも酷くて。
週に1度のメチルプレドニゾロン点滴もおススメだったのですが
なにせ遠方のため月に4回通うとなると交通費もばかになりません。なので通院している地元の内科でやってもらえないかと、紹介状を書いて、「内科の先生がやってくれなければ諦めてこちらに週1で通院して下さい」
と言って帰しました。
今週、外来を受診したのですが、
まぶたの腫れや目の充血はかなり改善。ステロイドが効いたことは誰の目にも明らかでした。
結局、内科の先生の所には行かず、
旦那さんと相談して、通院の交通費は仕方がない、ということになったようです。
日本全国で似たような方がたくさんいらっしゃいます。
眼科の先生、内科の先生、
お願いですから、週1のパルスくらい、地元でやっていただけないでしょうか???
ホント、お願いします!!!!うちがパンクします!!(笑)
協力してくれる内科医院を全国で探すかなあ、、、皆さん、どう思います??
「バセドウ病眼症」関連ページ一覧
2019年手術実績 3850件(2019年1-12月)
経歴
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
医院名
オキュロフェイシャルクリニック東京
住所
中央区銀座1丁目ビル8F
電話番号
03-5579-9995
公式サイト
こちらから
MAP
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バセドウ病眼症への治療についての動画
2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら
OurAgeに特集していただきました
こちらから
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
「1時間で分かる甲状腺眼症入門パンフレット」
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公開日:2018.11.02
最終更新日: 2024.04.11
プチプラのあやさんに当院で受けた手術についての感想を
アップしていただきました。
プチプラのあやさんの動画について
有名なYoutuberのプチプラのあやさんに当院で受けた手術についての感想をアップしていただきました。
とくに合併症もなく、経過良好だったので満足していただけました。
少しでも多くの困っている患者さんへ、治療があることを知っていただけたらと思っています。
専門医へのご相談はこちら
日本では眼形成の専門医師・専門施設が少なく、治療に対する情報量も少ないのが現状です。
その為多くの場合、病気や事故等によって目の周りの表情が変化した患者さんが自分の症状は治らないものだと思い込んでしまい、元の状態に戻す事を諦めてしまっている事が多いと感じています。
決して諦めないでください。まずは専門医にご相談ください。
ご相談はこちらから
「バセドウ病眼症・眼球突出」関連ページはこちら
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公開日:2018.09.03
最終更新日: 2024.04.09
眼瞼後退の治療について
眼瞼後退の治療について
今回はバセドウ病眼症への減圧術ではなく、眼瞼後退の治療について解説します。
バセドウ病眼症では眼球突出するのはご存知の通りですがそれだけではなく、まぶたを引き上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の異常により、片眼もしくは両眼とも眼瞼後退という状態になることがあります。
眼瞼後退になると上方強膜が露出するため、ビックリしたような目になってしまいます。
左右差があるとなおさら強調されてしまい、奇異な目つきになってしまうのです。
活動期での治療方法について
上眼瞼挙筋がまぶたを過剰に引き上げていることが原因です。治療としては、活動期には腫れている筋肉の腫れを抑える治療を行います。つまりステロイドの注射、点滴を行います。
上眼瞼挙筋は眼窩の奥にありますが、当院ではまぶたの上から直接注射をします。
すこし奥の方になるので一般眼科の先生方はなかなか手を出しづらいのですが
そこは眼窩の専門家なので(笑)お手の物です。
点滴も同時に行うことがありますが、直接注射の方がパワフルに効くと思います。
ステロイド剤は徐々に吸収されるもので、その効果は約2か月続きます。2か月後に再度、まぶたが上がってしまったらもう一度注射を検討します。
非活動期での治療方法について
非活動期となってしまったら手術が選択肢に入ります。手術には様々な術式があります。
選択肢として、
皮膚切開なのか、結膜切開なのか(表からか、裏からか)
挙筋のどの部分を操作するのか
挙筋を切開するか、切除するのか
挙筋を切離したままにするのか、なにかを入れてくるのか(延長方法の違い)
眼瞼後退への手術で困るのは手術中のまぶたの上がり具合と、最終的な仕上がりが異なる場合があるため、結果の予測ができないことです。
まぶたを下げる手術は予測が出来ないのです。
一方で上げる手術では予測することが出来ます。
だから、手術をして下がりすぎてしまったまぶたを
もう一度上げる手術する、といったように複数回の手術が必要になる場合があります。
先週もお一人、他院手術で下がりすぎてしまったまぶたを上げる手術を行いました。
術中はほぼ完ぺきに左右をそろえられたので自信はありますが、
どのような仕上がりになっているか、再診が待ち遠しいです。
専門医へのご相談はこちら
日本では眼形成の専門医師・専門施設が少なく、治療に対する情報量も少ないのが現状です。
その為多くの場合、病気や事故等によって目の周りの表情が変化した患者さんが自分の症状は治らないものだと思い込んでしまい、元の状態に戻す事を諦めてしまっている事が多いと感じています。
決して諦めないでください。まずは専門医にご相談ください。
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バセドウ病眼症への治療についての動画
2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら
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公開日:2018.06.05
最終更新日: 2024.04.09
眼窩減圧手術前後の変化
眼窩減圧術前後の写真。患者さんのご協力で写真を使ってよいとのことでしたので、掲載させていただきます。
眼窩減圧術前術後で顔貌が大きく変化し、術後にとても綺麗なお顔になっていることが分かっていただけると思います。
上下眼瞼の脂肪が減少し、ドライアイも改善しています。
今までバセドウ病の眼球突出が治らないと思っていた患者さんや、内科の先生や、眼科の先生に是非知っていただけたら嬉しく思います。
この写真はEOSを使用してフラッシュ有の同条件下での撮影を行っています。下記にリスクを記載した同意書の文面を掲載します。
「バセドウ病眼症/甲状腺眼症」関連ページ一覧
リスクを記載した同意書
1.あなたの病名と現在わかっていること、病態
眼球突出(甲状腺眼症)
甲状腺に関連した自己免疫疾患です。
甲状腺に関係した抗体が眼球の周りにある脂肪や眼球を動かす筋肉の中に存在し、それが標的となって炎症が起こり、増生します。それによりまぶたの腫れ、赤み、白眼の充血、角膜の傷、眼の奥の痛みや重さ、眼がでてきたり(眼球突出)まぶたが開いたり(眼瞼結膜の後退)し、瞬きが少なく目つきが鋭くきつくなるように見えます。筋肉、脂肪の炎症、腫れにより眼圧上昇や視力低下、2重にみえることもあります。バセドウ病の方の約50%~60%に甲状腺眼症が生じます。甲状腺機能亢進症でも低下症でも甲状腺機能が正常でもおこります。
筋肉や脂肪が増生し眼球突出が起こったり、神経が圧迫されて視力低下が起こったりします。症状は発症から半年程度経過すると固定化し自然には治りません。
2.この治療の目的・必要性・有効性
高度の視力低下や眼球突出に対して、眼の周囲の骨(眼窩)を削り、眼の奥の脂肪を切除することで肥大した筋肉や脂肪が入るスペースを拡大する手術です。
この治療をすることにより眼球を陥凹させ、眼球突出により鋭くきつくなった目つきを改善し、白めの充血、角膜の傷を改善させます。
どの程度効果があるかは患者さんの状態により個人差があります。
3.この治療の内容と性格および注意事項
全身麻酔で行います。
下まぶたの結膜や目じりの皮膚、目頭の結膜を切開し、目の奥の骨や脂肪組織を切除します。切った結膜や皮膚は元に戻します。
術後疼痛がある場合は鎮痛剤を使用します。
術後1週間、軟膏を使用してもらいます。術翌日からシャワー浴・洗顔・洗髪は可能です。創部に汚れがたまると不潔になりますので、毎日軽く洗い流すようにしてください。ただしまだ癒着していませんので強くこすることはおやめください。3日後からは入浴が可能です。約1週間で創部の化粧は可能です。術後には顔貌が大きく変化する場合があります。また術後に腫れますので創部が醜く見える可能性がありますが、完全に腫れが消退し、完成した状態になるためには6か月が必要です。
手術後眼帯をし、その上から冷却が必要です。
当院ではチームとしての医療を行っており、厳格な基準を経た指導のもとに手術を行っていますが、通常の保険診療の場合には手術を担当する医師は指定することはできません。担当医を指名する場合には自由診療での手術になります。
4.この治療に伴う危険性とその発生率
手術により創部が腫れ、内出血が起こります。内出血は最初赤いアザのようになっていますが、黄色く変色し重力に伴って皮下を下方に移動しながら約3週間で消退します。腫れの消退は最初の2週間で8割程度改善しますが、完全な消退には約半年かかります。創部に血腫ができた場合は除去手術が必要です。
手術後には眼球運動障害が出現し2重に見えます。徐々に改善し、3から6か月で安定しますが、脂肪切除のみでは3-20%、外側壁では3-6%、内側壁では10-65%で複視が残存するとされています。その場合には、斜視手術が必要になることもあります。当院の脂肪減圧のデータでは正面複視は0%、最周辺複視は50%でした。
意図的に眼球を陥凹させる手術ですので、まぶたが凹むなど、顔貌が変化します。目標を15㎜にすることが多いですが、個々の症例に個別にプランを作ります。顔貌の変化に伴って二重のラインの形状や、まぶたの腫れ方が変化します。人によってはバセドウ病発症前よりも凹んでしまった感じる場合もあります。
眼に関わる神経やこれを栄養する血管に障害が起こると失明に至るような視力障害や知覚鈍麻が出ることがあります。
脳に近い場所の手術を行うため、感染症などをきたすと重篤な状態になる可能性があります。
術後徐々に傷痕は目立たなくなりますが傷痕が目立ったり、ケロイドになったりすることがあります。術後に傷が離解した場合は再度縫合処置が必要です。感染などで眼窩蜂巣炎になることがあります。
5.偶発症発生時の対応
万が一,偶発症が起きた場合には最善の処置を行います。なお,その際の医療は通常の保険診療となります。
6.代替可能な治療
これに代わる治療はありません。
7.治療を行った場合に予想される経過
術後、さらに眼球陥凹を得たい場合に、今回の手術とほかの部位の減圧術を行うことがあります。眼瞼後退や眼瞼下垂、複視、斜視に対する手術など外科的治療が必要な場合があります。角膜びらんなどの症状がある場合は点眼の治療が必要です。
一度炎症が落ち着いた眼症も15%で再発します。その場合はステロイド治療などを必要とする場合があります。甲状腺の数値が安定している方やむしろ低下している方でも眼症は悪化することがあります。甲状腺の数値が安定しているからといって眼を放置するとひどく悪化することがあります。
喫煙や放射線ヨード内用療法が悪化につながるため、禁煙が絶対必要です。またストレス、寝不足が悪化を招きます。十分な睡眠を心掛けて下さい。
8.何も治療を行わなかった場合に予想される経過
自然には治りませんので、視力低下や結膜充血や残存します。顔貌の変化が気になっている場合には、うつ状態になってしまう方もいらっしゃいますし、きつい目つきに見られることで社会的不利になることなどが考えられます。
バセドウ病眼症への治療についての動画
2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら
OurAgeに特集していただきました
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