「涙が止まらない」その原因は流涙症かも|眼形成外科医が解説
視界がぼやける、目元がかぶれやすい、すぐに目ヤニが出るなど、日常生活に支障をきたすほど涙が止まらない場合、「流涙症(りゅうるいしょう)」という病気が潜んでいるかもしれません。
そこで、流涙症とはどのような病気か、またどのようなメカニズムで涙が止まらなくなってしまうのかを詳しく解説します。
あわせて、眼形成外科を専門とするオキュロフェイシャルクリニック東京が行う流涙症治療もご紹介するので、止まらなくなってしまった涙に悩まれている方はぜひお参考にしてください。
目次
「涙が止まらない」流涙症(なみだ目)とは?
流涙症とは、涙の量が増えすぎてしまう、または涙の排水機能(涙道)が詰まってしまうことによって涙があふれ出る状態を指します。
「涙」という単的な原因ではなく、複数の要素が絡み合って起こるケースが多い症状です。
「涙が止まらない」流涙症の原因とメカニズム
流涙症が起こる原因、そして涙が止まらなくなってしまうメカニズムを解説します。
原因の大部分は「涙道閉塞・狭窄」
流涙症を発症する原因の多くは、涙の排水路となっている鼻涙管や涙小管などが詰まったり、狭くなったりすることです。

この症状は、炎症や加齢(老化)、外傷、慢性的な結膜炎などさまざまなことが原因となって起こります。
閉塞が起こる主な部位
涙の排水路で閉塞が生じる主な部位は、以下の3箇所です。
- 涙点閉塞/狭窄(入り口の穴が狭い・閉じている)
- 涙小管閉塞(涙点から涙嚢への管が詰まる)
- 鼻涙管閉塞(涙嚢から鼻への管が詰まる)
涙の過剰な分泌(涙液過多)
涙が過剰に分泌される(涙液過多)主な原因は、以下のようなことがあるほか、一時的に涙の量が増えて溢れるケースもあります。
- 異物
- ドライアイ(反射的な涙の分泌)
- アレルギー
- 結膜炎など
「涙が止まらない」流涙症の診断について
オキュロフェイシャルクリニック東京では、涙が止まらず悩まれている患者様の診断について、まず涙の排水路に問題がないかを通水検査という検査方法で確認させていただきます。
また、涙が止まらない原因は排水路以外にあるケースもあるため、角膜や結膜(特に白目の表面)の検査、ドライアイの検査、瞬きの状態チェックなども行い、涙目の原因を総合的に判断しております。
「涙が止まらない」流涙症の治し方
流涙症と診断された場合、具体的にどのような治療が行われるのでしょうか。
初期や症状が軽度だった場合、また根本治療をする場合の治療法をご紹介します。
初期・軽度の流涙症に対する治療
流涙症の初期段階や症状が軽度だった場合、閉塞や狭窄を改善するために涙道ブジーと呼ばれる方法で涙の通り道を拡張したり、シリコンチューブ挿入術などによって改善を行います。
【根本治療】鼻涙管閉塞に対する手術

鼻涙管閉塞を根本治療する場合、涙の排水路のどの部分が詰まっているかによってアプローチが異なります。
4-2-1.鼻涙管という排水路の後半部分が詰まっている場合
発症から間もない場合、また完全に詰まっているわけではない場合は、まずシリコンチューブ挿入術で改善を試みます。
しかし、完全に詰まってしまっている場合や、シリコンチューブ挿入術で改善が得られない場合には、涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)と呼ばれる手術を行います。
涙嚢鼻腔吻合術は、涙嚢という目頭に一時的に涙が溜まる部分と鼻腔の間に新たな涙の通り道を作り、涙の流れを改善する手術です。
4-2-2.涙小管という排水溝の前半部分が詰まっている場合
発症から間もない場合、完全に詰まっている状態でない場合は、シリコンチューブ挿入術で改善を試みます。
ただし、シリコンチューブ挿入術での改善が難しい重症例では、Jonesチューブ挿入術という、ガラスでできた人工涙管を入れる手術を行います。
「涙が止まらない」というお悩みのご相談ならオキュロフェイシャルクリニック東京まで
涙が止まらなくなってしまうと、視界がぼやけたり涙でかぶれてしまうなど、さまざまな支障をきたします。
場合によっては、視界不良によって思わぬ事故に遭遇するリスクもあります。
オキュロフェイシャルクリニック東京は、眼形成外科専門のクリニックとして、このように涙が止まらず悩まれている方が症状を改善し、安全に日常生活を送っていただくためのお手伝いをさせていただきます。
年間手術件数1万件以上(2024年度、グループ全体)の実績に裏付けされた高度な技術、そして常にアップデートし続けている豊富な知識を最大限に活かし、患者様一人ひとりにあった治療法のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にオキュロフェイシャルクリニック東京へご相談ください。
まとめ
涙が止まらなくなってしまう流涙症を改善するためには、涙の排水路を広げるための専門的な治療を必要とします。
流涙症を改善し、クリアな視界を取り戻したいとお悩みの方は、まずは私たちオキュロフェイシャルクリニック東京までご相談ください。
患者様一人ひとりの症状を丁寧に診察させていただき、悩みの原因となっている流涙症を治療するための方法をご提案させていただきます。
監修者情報
オキュロフェイシャル
クリニックグループ代表
鹿嶋 友敬
クリニックグループ代表 鹿嶋 友敬
経歴
- 2002年
- 群馬大医学部卒 群馬大学 眼科学教室
- 2004年
- 伊勢崎市民病院
- 2005年
- 群馬大 眼科
- 2007年
- 聖隷浜松病院 眼形成眼窩外科へ国内留学
- 2009年
- 群馬大にて眼形成外来を開設
- 2012年
- 学位取得 群馬大学眼科 助教
- 2010年
- アジア太平洋眼形成学会理事
- 2015年
- カリフォルニア大学 ロサンゼルス校へ留学
- 2017年
- 新前橋かしま眼科形成外科 クリニック 開院
- 2018年
- オキュロフェイシャルクリニック 東京 開院
- 2019年
- The NewYork Times特別企画「Next Era Leaders 2019」選出
- 2020年
- アメリカ眼形成学会(ASOPRS)会員
資格・所属学会
- 日本眼科学会
- 眼科手術学会
- 臨床眼科学会
- 涙道涙液学会
- 眼瞼義眼床研究会
- 甲状腺学会
- 眼窩疾患シンポジウム
- 眼形成再建外科学会