公開日:2018.09.17
最終更新日: 2018.09.18
当クリニックの経営信条
なんらかの組織を率いていく時に、多人数のスタッフが同じ方向を見られるように、経営方針を作ることが一般的であろうと思います。
当院でも創業当初から掲げている経営信条があります。
今回はそのお話をしたいと思います。
日本と米国で暮らした経験から、日本人の特徴が分かっています。
日本では、耐えることが美徳とされます。
なので、楽しんでいる、ということを表出するよりも
つらいことを我慢している、ということのほうが周囲からの受けがいいというのが実情だと思います。
それは患者さんも、スタッフも同じです。
苦しんでいるといわなければいけない環境。
楽しく仕事をすることが許されない社会。
個人的には、全然好きではありません。
患者さんたちは、病気や手術に対する不安を抱えながら受診します。
基本的に幸せな状態では来院しないのです。
だからこそ、帰るときには幸せな気持ちでお帰りいただきたいと思います。
当院で働く若い人たちにも、楽しんで人生を過ごしてほしいと思っています。
苦しんでいるのが当然の社会であってほしくないのです。
もちろん個々人の努力があるという前提ですが、、、、
当院の経営信条は3項目です。
1. 患者さんを幸せにする
2. 患者さんが幸せになることを通して自分が幸せになる
3. 自分が幸せになることを通して社会を幸せにする。
だれかが100%の幸せを求めると、その周囲の人は100%の幸せになることは難しいと思いますが
みんなが協力して80%くらい幸せになることは出来るように思います。
全員がそれなりに幸せな社会、それを目指して行きたいと思っています。
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公開日:2018.09.16
顔面神経麻痺へのヒアルロン酸注射
顔面神経麻痺では顔面の非対称性が出現します。
顔貌の非対称性があると、表情が作れなくなるため、外出しづらくなるなどの生活の質の変化が起こります。
脳腫瘍に対する手術治療で、顔面神経の完全断裂があると完全な麻痺になり、手術が適応になりますが、ベル麻痺など突如発症したタイプの麻痺で、麻痺が完全に回復しなかった場合には、微小な顔面の非対称性が起こるため、手術のような大きな治療では治しづらい、ということが起こりえます。
そのような場合、ヒアルロン酸の美容注射のテクニックを応用して顔面の非対称性を少なくすることが出来ます。
顔面の表情筋の骨膜側にヒアルロン酸注入を行うと、筋肉の動きをサポートすることが出来るので筋肉が挙上しやすくなります。
逆に表情筋の皮膚側にヒアルロン酸注入を行うと、筋肉に負荷をかけることになるので動きにくくなります。
つまり麻痺側の表情筋には筋肉の下に、健側の表情筋には筋肉の上に入れるのです。
美容用のヒアルロン酸注射は保険診療の適応にはならないため自費になりますが、当院ではブログやHP、発表などで写真を使用させていただくことを条件に、モニターとして無料で注射を行っています。
先着、数名程度を予定しています。
顔面神経麻痺へのヒアルロン酸注射 施術前後の写真
顔面神経麻痺へのヒアルロン酸注射 施術前後の写真
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公開日:2018.09.10
新しいことに挑戦すること
新しいことに挑戦すること。
自分が眼形成の門を叩いた11年前、眼形成という言葉自体があまり世の中に浸透していませんでした。
いまでもそうですが、眼科のいくつもの専門分野の中で眼形成は1つの専門分野として対等に扱われていませんでした。
従って、若手の自分が一般眼科を捨てて眼形成を専門にしたい、と言ってみたところで
通常のステップアップから外れる行動を良いことだと思ってもらう風潮はなく
むしろ非常に風当たりが強かったことを思い出します。
若手のドクターに良く言う言葉があります。
「常識という思い込み」
その状況で常識と思われていることは、他の時代や他の国では常識では無いことが多いのです
常識というのは普遍的なものでなく、移り変わっていくものだと思います。
自分が国内留学する前は、群馬県内では眼窩骨折や顔面神経麻痺、眼窩骨折は不治の病でした。
でも浜松にはそれを治すドクターがいる。
それが国内留学を決心した理由でした。
そもそも医師の留学といえば、海外留学を指すのが常識です。
50年以上の歴史のある群馬大眼科に国内留学をした先達はいませんでした。
いろいろな反対を受けながら国内留学を経て群馬に戻った時に、すでに県内の技術・経験ともに飛びぬけた状態になって戻ることが出来ました。
常識にとらわれていたら、群馬県内でずっと一般眼科をやっていたことでしょう。
でも不治の病の一言で決着させる常識を、疑い、行動に移すことで新たな常識を作ることが出来ました。
海外の学会への参加も、ロサンゼルスへの臨床留学も、教科書の編集も、既存の常識と異なる事に取り組んできました。しかし、こういうものにこそむしろ価値があり意味があると、今となっては実感します。
若い人たちには、「常識という思い込み」にとらわれず、自由な発想で新しい分野を切り開いてもらいたいと思っています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
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公開日:2018.09.08
ひとつのことにこだわるから出来ること
今回は少し変わった視点でのお話しです。
先日いらした患者さんに、また聞かれました。
「他の病院との治療法や入院期間が大きく異なるのは何故ですか?」
一般的には、眼窩の手術は眼球の後ろを扱ったり、頭蓋骨を扱ったりするため、1週間程度入院することがほとんどではないかと思います。
全国的にも日帰り全麻で眼窩の骨を操作している施設はないと思います。
ただ、世界的には一般的なのです。
それを導入しているだけです。
2007年~2009年の聖隷浜松病院への国内留学後、平均して年に4回程度、海外の学会に参加してきました。もちろん、毎回英語でのプレゼンテーションを行っています。
プレゼン自体も重要ですが、海外の学会の良いところは他の演者のプレゼンから国内の常識から外れた新知見をいっぱい吸収できることです。
何度も何度も海外の学会に参加しているうちに、留学の機会を得ることが出来ました。
2015年~2016年のロサンゼルス留学は、自分にとってとても大きな経験でした。
2002年に医師になりました。
どの若手医師も、たくさんの事を学びたいと思っています。
眼科であれば、水晶体、硝子体、緑内障、屈折矯正、斜視弱視、神経眼科、角膜など多岐にわたる専門分野がありそれぞれの勉強をしなければいけません。
全てをある程度出来るようになるためには、10年以上の時間がかかります。
自分の場合には4年目まではこれらの勉強を頑張りました。
国内学会で年間5回程度は発表していたので、かなり多く発表していた方であると思います。
ただ4年目の時点でそのような他の先生方も勉強している分野ではなく、他の先生が治すことが出来ない分野をやりたいと思い、聖隷浜松病院眼形成眼窩外科の門を叩きました。
この29歳の時点でいわゆる一般眼科を捨てた、ということになります。
それから11年、眼瞼・眼窩・涙道の眼形成分野のみに集中し勉強してきました。
現在41歳ですが、すでに10年以上のキャリアがあります。
より狭い分野に集中することで、その分野を深く掘り下げることが出来ます。
若い時点でそのような選択をしたことで、(比較的)若くてもすでにそれなりのキャリアを形成することが出来ます。
カウンターのある飲食店に行くことが好きなのですが
それは医者と板前さんはとても良く似ていると感じて
板前さんのプレゼンテーションが非常に勉強になるからです。
飲食店で例えるなら、ラーメンから鮨や天ぷらまで出す食堂よりも
ラーメンならラーメン、鮨なら鮨、天ぷらなら天ぷらに特化した方が、個々の味は良いというのは当たり前のことではないでしょうか?
若いころに眼形成外科に特化したのは、このような理由によります。
一般眼科は一般専門医レベルですが、眼形成領域では誰よりも経験してきたという自負があります。
だからこそ、当院での治療法は、他の施設と異なるのだと思います。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
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公開日:2018.09.03
最終更新日: 2018.09.10
甲状腺眼症パンフレット
甲状腺眼症の小冊子の表紙デザインが上がってきました。
10月上旬に刊行出来ると思います‼‼
赤字ですが、採算度外視で(笑)
300-500円くらいを考えています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
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公開日:2018.09.03
最終更新日: 2018.09.18
眼瞼下垂の手術について
今回はバセドウ病から離れて
良くある眼瞼の手術の話をしたいと思います。
当院では昨年度1年間でぴったり2000件の手術を行いました。
大学病院クラスの実績で、自分でもびっくりしました(笑)
その中で半数を占めるのが眼瞼下垂という疾患です。
眼瞼下垂には大きく分けて、2種類あります。
1つは皮膚のたるみです。
皮膚がたるんで視野の邪魔になったり、まつ毛を下げてしまったりしてしまうものです。
もう1つは何らかの理由でまぶたを上げる筋肉がうまく働かないために、まぶたが上がらないというものです。
皮膚のたるみに対しては、皮膚を切除し、二重まぶたのラインを作成します。
切って縫うだけの単純な術式ではありますが、デザインや縫い方にコツがあります。
目じりの皮膚まで大きく切除しないと、目じりのしわが増えたように感じてしまうことがあるのです。
筋肉が働かない場合(狭義の眼瞼下垂)には、それぞれの病態に応じた手術を行います。
手術は皮膚から行う場合がほとんどですが、
臨床留学していたUCLAでは結膜(まぶたの裏)から行っていました。
これは欧米人では皮膚のたるみが無いことが多いのですが、
日本人では皮膚のたるみが多く、皮膚切除しなければならないため
そのまま筋肉にアプローチする方法が望ましいからです。
眼瞼下垂手術の対象になる方は高齢者が多いのですが
ハードコンタクトレンズを長期に使用されている場合にも眼瞼下垂は起こります。
手術時間は片側で大体10-15分くらいです。
バランスをみるため、片方だけ下がっていても両側同時手術をお勧めしています。
無修正の手術動画を若手医師向けに、Youtubeでも公開しています。
この時は7分かかりませんでしたが、大きく皮膚切除しなくてよければこの程度の時間しかかかりません。手術時間の早さは、技量の裏返しでもあります。(自信アリ)
また、若い方で皮膚を傷つけたくない場合には
結膜から手術することもあります。
まぶたがどうしても腫れたくない方、そして二重まぶたが綺麗に揃っていて皮膚のたるみが無いことが条件になります。
そしてUCLAで行っていた結膜アプローチの手術はこちら
いろいろな術式を、いろいろな病態に合わせて選んで手術を行っています。
もちろん手術なので、常に100%の結果が出るわけではありませんが、
我々は平均点が高くなるような工夫をいろいろな場面で駆使しています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
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