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目の下のくま
(眼窩脂肪ヘルニア)

眼窩脂肪移動術(ハムラ法) 
症例

当院では下眼瞼脂肪ヘルニア(目の下のくま)に対する眼窩脂肪移動術(ハムラ法)を行っていますが、手術前後の写真です。
皮膚のたるみがない場合には結膜(下まぶたの裏)から行っていますので、表面にキズを作りません。
術前の状態だと、すごく疲れている印象になっていますが、術後にそれが改善しています

下記に手術内容や、それに伴うリスクについて記載した同意書の文面を記載します。なお、この写真はEOS Kiss X6にてフラッシュ無しの同条件で撮影したものです。

病名と現在わかっていること、病態

眼窩脂肪ヘルニア

眼球が骨に囲まれた部分を眼窩といいます。そこには眼球と眼球の働きを維持するための色々な組織(涙を作る器官、眼を動かす筋肉、視神経、視神経を保護する組織、脂肪組織など)が入っています。
眼窩脂肪が年齢とともにたるんで、前方に突出します。さらに骨の前面にある脂肪が萎縮するため、下まぶたのふくらみが明らかになります。

この治療の目的・必要性・有効性

突出した脂肪が不快感の原因になっている場合にはこれを切除します(脂肪切除法)。もしくは、脂肪の一部を骨の前面に移動することでまぶたのふくらみを改善します(ハムラ法)

この治療の内容と性格および注意事項

・術中に眼瞼の形を確認するため主に局所麻酔で行います。術前に痛みを感じにくいように鎮静剤を使用することがあります。
・脂肪ヘルニアの場所に応じて下まぶたの裏の結膜や、睫毛下の皮膚の一部を切開します。手術中にヘルニアの広がりを確認しながら切除するため、切除範囲は手術中に決まります。出血が多い場合ドレーンを入れて終了することがあります。その場合は1~2日後抜去が必要です。
・手術後眼帯をし、その上から冷却が必要です。
・術後1週間程度、軟膏を使用してもらいます。術翌日からシャワー浴・洗顔・洗髪は可能です。創部に汚れがたまると不潔になりますので、毎日表面を軽く洗い流すようにしてください。ただし強くこすることはおやめください。3日後からは入浴が可能です。約1週間で創部の化粧は可能です。術後大きく顔貌が変化する場合があります。また術後に腫れますので創部が醜く見える可能性がありますが、完全に腫れが消退し、完成した状態になるためには6か月が必要です。
・術中鎮静剤を使用した場合血圧低下、除脈、呼吸抑制などが起こることがあります。

この治療に伴う危険性とその発生率

手術により創部が腫れます。腫れの消退は最初の2週間で8割程度改善しますが、完全な消退には約6ヵ月かかります。内出血が起こる可能性があり、その場合には皮膚、結膜に最初赤いアザのようなものが出て、黄色く変色し重力に伴って下方に移動しながら約3週間で消退します。創部に血腫ができた場合は除去の処置が必要です。
・感染などで眼窩蜂巣炎になることがあります。
・腫瘍の周囲には眼に関わる神経や筋肉があり、これらが障害され視力障害や複視が出ることがあります。
・術後に腫瘍による炎症などで眼瞼下垂が起こることがあります。その場合は再手術を行うことがあります。
・術後傷痕が目立ち、ケロイドとなることがあります。その場合、内服、軟膏、再手術の可能性があります。
・術後に処置をすることがあります。
・術中鎮静剤を使用した場合血圧低下、除脈、呼吸抑制などが起こることがあります。
・術後に痛み違和感が残る可能性があります。

偶発症発生時の対応

万が一,偶発症が起きた場合には最善の処置を行います。

代替可能な治療

・程度が軽ければ、ヒアルロン酸注射によって改善できる可能性があります。
・皮膚のたるみについてはレーザー治療が有効な場合があります。

治療を行った場合に予想される経過

・2週間程度で8割程度回復しますが、内出血が強い場合には3週間程度かかることがあります。通常1か月程度で良好な状態に戻ります。

何も治療を行わなかった場合に予想される経過

・脂肪ヘルニアはゆっくり増大すると考えられます。

2019年手術実績 
3850件(2019年1-12月)

経歴 群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
医院名 オキュロフェイシャルクリニック東京
住所 中央区銀座1丁目ビル8F
電話番号 03-5579-9995
公式サイト こちらから
MAP こちらから

バセドウ病眼症への治療
についての動画

 

 

2019年11月10日のバセドウ病眼症
講演会の内容はこちら

 

OurAgeに特集していただきました
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著者情報

鹿嶋 友敬

Tomoyuki Kashima
/ MD, PhD

患者さんへのご挨拶

これまで10年以上にわたり日米通算1万件以上の手術を行って参りました。 今までに私が培ってきた専門的な知識や経験を日本でお困りの患者さんの為に提供していきたいと思っています。

経 歴

2002年 群馬大医学部卒 群馬大学
眼科学教室
2004年 伊勢崎市民病院
2005年 群馬大眼科
2007年-09年 聖隷浜松病院
眼形成眼窩外科へ国内留学
2009年 群馬大にて眼形成外来を開設
2012年 学位取得
群馬大学眼科 助教
2010年-18年 アジア太平洋眼形成学会理事
2015年-16年 カリフォルニア大学
ロサンゼルス校へ留学
2017年 新前橋かしま眼科形成外科
クリニック 開院
2018年 オキュロフェイシャルクリニック
東京 開院
2019年 The NewYork Times特別企画「Next Era Leaders 2019」選出
2020年 アメリカ眼形成学会(ASOPRS)会員

海外・国内活動

2009年 Singapore National Eye Center
2010年 アジア太平洋眼形成外科学会 北京
Invited Speaker
2011年 ヨーロッパ眼形成学会 コモ(イタリア)
2012年 世界眼科会議 アブダビ
Invited Speaker Asia ARVO 
シンガポール Invited Speaker APAO 釜山 Invited Speaker
アメリカ眼科学会 シカゴ
Invited Speaker
2013年 APAO ハイデラバード
Invited Speaker アメリカ小児眼科学会
シンガポール Invited Speaker
ヨーロッパ眼形成学会 バルセロナ
2014年 世界眼科会議 東京 Invited Speaker
アジア太平洋眼形成外科学会 デリー
アメリカ眼形成学会 シカゴ
2015年 APAO 広州 Invited Speaker
2016年 KSAS(Korea Society of Aesthetic Surgery) meeting in Seoul
ITEDS(International Thyroid
Eye Disease) meeting in
London APSOPRS &
JSOPRS joint meeting session
chair iseminer
甲状腺眼症の手術治療など講演多数。
2017年 アメリカ眼科アカデミーinstructor、
韓国眼形成学会invited speaker、
中国眼形成学会invited speaker
2018年 アジア太平洋国際学会APAO invited speaker
2019年 アジア太平洋国際学会APAO invited speaker、
ITEDS invited speaker、
OPAIC invited speaker
2021年 アジア太平洋眼形成学会 invited speaker
2022年 アジア太平洋国際学会APAO、
ヨーロッパ眼形成学会、
米国眼形成学会
2023年 アジア太平洋国際学会APAO、
ヨーロッパ眼形成学会、
米国眼形成学会、タイ眼形成学会、
UCLA解剖実習コース、
ポルトガル解剖実習コース

監修・著書

メオアイス
監修

外眼部の周術期のケアに

メオアイス
名古屋眼鏡 まぶたやその周囲の手術のあとの”腫れ”や”痛み”を防止する目的で作られた医療用商品です。

アトラス眼瞼手術
著書

責任編集者

超アトラス 眼瞼手術
全日本病院出版 眼科と形成外科のコラボレーションを目指す、意欲的なアトラスが登場! オールカラーの連続写真、詳細なシェーマでわかりやすく解説されています。

眼瞼形成手術の基本手技
著書

責任編集者

ここからスタート! 眼形成手術の基本手技
全日本病院出版 眼形成外科を目指すドクターへの入門書。手術の道具や手技を詳細に解説しています。

鹿嶋先生 公式ブログはこちら

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