公開日:2019.10.05
なぜバセドウ病眼症の治療をしようと思ったのか 6
シンガポールでの見学中
どんな研究をしているの?
と聞かれたので、国内で発表していたスライドをいくつか見せました
そうしたら
いろいろ面白いことやっているね
半年後に近隣諸国にするレクチャーがあるから
そこで講演したら?
え?
英語の発表??
したことないよ???
でもその頃の僕のモットーはNoと言わない日本人
二つ返事で
やってみます、、、、、、。
と言いました
するとSeah先生
じゃあ
3つくらい講演してよ
え?
英語の発表したことないのに
いきなり3つ?????
無理―(心の叫び)
が、僕のモットー通りに引き受けることになるのです
言われたのが半年前だったのと
3つのうち、2つがビデオ講演だったので
なんとか終了し
プレゼンターの中で最優秀ビデオ賞なるものまでいただきました
海外の学会に行く日本人医師が圧倒的に少ない中
海外の学会に行けば
眼形成の最新の知見を得ることが出来る
その時から、Seah先生が行く海外の学会に自ら演題を出し
自分もついて行くことになるのです
実は、大抵の海外の学会は日本人ドクターにとって8割海外旅行みたいなもんです
演題が出せれば、病院から旅費が出ますから
みんなで徒党を組んで公費で海外へ
現地では日本人の集団で行動し
会場にも行かず観光し
海外の人と議論することもほとんどない
そういうのが実情です
議員さんの海外視察、も多分似たようなものだと思います
でも僕がついていったSeah先生
海外でも有名な方
常に会場にいて
講演を聴いています
ちょっとでも部屋に戻ろうもんなら
どこにいる?ちゃんと聞いているか?
と呼び出しがきます(笑)
おかげでいろいろな発表を見ることが出来ました
その中にバセドウ病眼症に関するものがあり
もちろんその中には眼窩減圧術の講演もあったのです
※読んで勉強になったり、面白かったと感じたら、いいね!をお願いいたします!
2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/
11月10日のバセドウ病眼症講演会
https://youtu.be/kxH9sgrlt0A
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
「1時間で分かる 甲状腺眼症入門パンフレット」
https://oculofacial.page.link/FoB
現物
https://oculofacial.page.link/pamphlet
kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B07MS9HNSH/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_NJ8pCbV9B21VS
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公開日:2019.10.04
なぜバセドウ病眼症の治療をしようと思ったのか5
時間がすこし前後しますが
聖隷浜松病院への国内留学から帰郷する直前
聖隷浜松病院へシンガポールから見学に来られた先生がいらっしゃいます
Dr Seah
https://www.snec.com.sg/profile/seah-lay-leng
この先生が見学に来られたことでまた自分の人生が大きく変わります
聖隷の卒業を間近に控え、他の世界を見てみたいと思っていたところに
たまたまいらっしゃったSeah先生
若かりし頃の僕はこう言いました
「見学に行かせてください!!」
返事はアッサリOK
聖隷を辞してから、群馬大学に戻るまでの間に
シンガポールに見学にいくことになったのです
とは言っても
その頃(今もですが(笑))
海外まで見学に行って勉強しようという医師はほとんどいません
皆無と言っても良い
そして海外に行くといっても
旅行とは違うので
添乗員もいませんし
現地に知り合いの日本人のお友達がいるわけでもありません
今でも覚えていますが
出国前の成田空港
本当に心細くて
「お腹痛くなったので行くの止めます」
って言おうかと本気で思っていました
ゲロしそうな緊張感の中、シンガポールへ
そして見学をするといろいろなことが分かったのです
日本ではマイナーでほとんど誰もやっていない眼形成
世界では普通に一般的に存在しているし
認知もされているのだ、ということに気付きます
たくさんの若手のドクターが眼形成を志しているし
みんな頑張っている
それが実感として分かったのです
たった1週間の見学でしたが
世界の眼形成の実情の一端を体験することが出来ました
そのころの僕は英語を喋ることも、理解することも出来ませんでした
受験英語はそこそこ出来ても
会話は出来なかったのですね
でもSeah先生は何度も繰り返したり、言い直したりして、理解してくれるようにしてくださったのです
いま思えば
Seah先生も若い時に英国に留学されていたので
留学生に優しくしよう、という思いがあったのですね
毎晩食事に連れ出してくれて
すべておごってもらいました
中国の慣習なのか
すごくいっぱい食べろ食べろと言われ
日本人的な全部食べなきゃ失礼という考えもあり
フードファイターのように食べていたら
帰国時に3キロ太っていたのを思い出します(笑)
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2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
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027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/
11月10日のバセドウ病眼症講演会
https://youtu.be/kxH9sgrlt0A
東京MXで紹介されました
https://youtu.be/eE2yMVMhW0U
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
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現物
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公開日:2019.10.03
なぜバセドウ病眼症の治療をしようと思ったのか3
群馬大学は当たり前ですが群馬県にあります
群馬県には一つしか医学部が無いので
難症例はすべて群馬大学に集中するのです
バセドウ病の治療、大学以外で治療できる施設がありませんから
必然的に全ての患者さんが大学に集中します
僕が聖隷から帰ってきた当時は
先代の岸教授がバセドウ病眼症も診ておられたのです
(その他の難症例も全部診られていました)
全国の医療機関で行っているステロイドパルスとその後の内服治療
通常は3クール行うことが多いのですが
群馬大では2クールでした(金土日の3日間を2回)
岸先生が、患者さんの負担を考えてのことです
それでも入院になりますから
とても大変ですよね
最初の頃は、岸先生が治療方針を決定していました
僕のところに回ってくる患者さんが少なかったのです
眼瞼下垂など他の治療をやっていくのが精いっぱいで
あまり時間と関心を向けられなかった、という事情もありますね
そうしているうちに、バセドウ病眼症の初診を僕が取るようになります
他の先生方は、バセドウ病眼症に関心がまったくありませんから
僕が最初から診るよ、ということになりました
(そのかわり黄斑変性とか僕に回さないでね、とも伝えてます。バーターです(笑))
群馬大のバセドウ病眼症の患者さんを診ているうちに
患者さんのいろいろな人生を知ることになります
40年前に発症して、ものすごい眼球突出のまま生きて来ざるを得なかった方
バセドウ病眼症を発症してから、旦那さんがDV夫になってしまい、離婚してシングルマザーになった方
診ていくうちに
これは人生が大きく変わってしまう病気で
これは誰かが治してあげないといけない
と強く思うようになるのです
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https://youtu.be/kxH9sgrlt0A
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公開日:2019.10.03
大忙し3
今日は前橋で4件オペ
涙囊鼻腔吻合1人
眼窩減圧2人
悪性腫瘍の切除と再建1人
そのあと東京へ
午後外来なんです
いつも東京にいる時はホテルなんですが
何度も泊まってるホテルに行き
荷物を預けようとフロントに
お願いしまーす、と言ったら
鹿嶋友敬様ですね?
わかりました。
顔パスでした😂
いつも泊まってるからね笑
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公開日:2019.10.03
なぜバセドウ病眼症の治療をしようと思ったのか4
眼窩減圧っていう方法があるので
大学で手術をやってみたいのですがよろしいでしょうか?
岸教授に尋ねました
「あんまりよいと思えないけどね!!
いいんじゃない?やってみたら!フンッ」
結構、投げやりな感じで言われ(笑)
それから減圧術を群馬大学でしていくことになるのです
思えば眼形成がマイナーだったころ
減圧するなんて、とんでもない患者負担になると思われていたのだと思います
実際に両側手術する時は長い入院が必要でした。
全麻の枠は木曜日の午後だけでしたら
まず右、翌週に左、というように2週に渡っての入院が必要だったのです
(それを考えると、今は両側同時手術で日帰りとかすごい!)
そのころそういう手術をしているのは
原宿の眼科しかありませんでしたし
眼科医にとっては骨をいじるなんてホラー!
な常識だったのでそういう反応だったのです
でもね
バセドウ病眼症の手術治療
眼形成の知識と技術をフル動員しないと対応できないのです
眼窩の構造を知るのはもちろんのこと
眼窩の骨を削るとなると、その向こうにある組織も知らないと骨を切除出来ませんし
眼窩脂肪を取るのであれば、眼窩内の網目のように張り巡らされた血管や神経を知る必要があります
眼瞼後退や眼窩脂肪ヘルニアになってまぶたもおかしくなりますから
その構造に精通していないとまぶたも治せません
眼科の手術の中で一番難しいと言っても良いくらいです
だからこそ、教授は勝手にやったら?
みたいな反応だったのですね
そこから群馬で一人、バセドウ病眼症と格闘していくことになります
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公開日:2019.10.01
なぜバセドウ病眼症の治療をしようと思ったのか2
聖隷浜松での2年にわたる研修中
ほんの2-3例の眼窩減圧を行いました
戻ってから続けられるように
骨折などでいじっている部位ではありますが
骨を元に戻すのではなく、削る手術
若干の手技の違いがありました
聖隷浜松で経験しておいたことで
その後、2009年に群馬大学に戻ってからも手術をやり続けることが出来ました
今でこそ増えた眼窩脂肪を切除するなんてことをしていますが
その当時は、というか世界的には今もですが、眼窩の骨を削るのが主流なので
硬い組織を切除するのは、言葉のとおり、「骨が折れる」のです
外壁の減圧は頑張っても片側1時間かかりますからね
患者さんも医者も大変です
大学病院のような大きな組織では
脳神経外科や救急科の先生方もいらっしゃるので
何かあればすぐ他科の先生方のお世話になることが出来ます
最初はごく限られた患者さんだけに
そのうち徐々に慣れてきたらより軽症の方にも
でも大変な手術なので
年にほんの数例だけ
公務員だったら世の中に知ってもらう方法もありませんし、、、、
そんな感じでちょこちょことやっていましたが
本格的にやるような状況ではありませんでした
それでも、そもそも眼窩減圧をやっている施設が少ないので
その頃でも、愛知医大の次に手術をやっていたと思います
(今は全国でダントツの数やってます!!)
公務員だったので自分のホームページなんか持っていませんから
患者さんに知ってもらうこともなく
群馬県内の患者さんだけ、手術治療していくことになります
次回は最初に減圧手術を始めたときのことを書こうと思います
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