公開日:2018.09.08
ひとつのことにこだわるから出来ること
今回は少し変わった視点でのお話しです。
先日いらした患者さんに、また聞かれました。
「他の病院との治療法や入院期間が大きく異なるのは何故ですか?」
一般的には、眼窩の手術は眼球の後ろを扱ったり、頭蓋骨を扱ったりするため、1週間程度入院することがほとんどではないかと思います。
全国的にも日帰り全麻で眼窩の骨を操作している施設はないと思います。
ただ、世界的には一般的なのです。
それを導入しているだけです。
2007年~2009年の聖隷浜松病院への国内留学後、平均して年に4回程度、海外の学会に参加してきました。もちろん、毎回英語でのプレゼンテーションを行っています。
プレゼン自体も重要ですが、海外の学会の良いところは他の演者のプレゼンから国内の常識から外れた新知見をいっぱい吸収できることです。
何度も何度も海外の学会に参加しているうちに、留学の機会を得ることが出来ました。
2015年~2016年のロサンゼルス留学は、自分にとってとても大きな経験でした。
2002年に医師になりました。
どの若手医師も、たくさんの事を学びたいと思っています。
眼科であれば、水晶体、硝子体、緑内障、屈折矯正、斜視弱視、神経眼科、角膜など多岐にわたる専門分野がありそれぞれの勉強をしなければいけません。
全てをある程度出来るようになるためには、10年以上の時間がかかります。
自分の場合には4年目まではこれらの勉強を頑張りました。
国内学会で年間5回程度は発表していたので、かなり多く発表していた方であると思います。
ただ4年目の時点でそのような他の先生方も勉強している分野ではなく、他の先生が治すことが出来ない分野をやりたいと思い、聖隷浜松病院眼形成眼窩外科の門を叩きました。
この29歳の時点でいわゆる一般眼科を捨てた、ということになります。
それから11年、眼瞼・眼窩・涙道の眼形成分野のみに集中し勉強してきました。
現在41歳ですが、すでに10年以上のキャリアがあります。
より狭い分野に集中することで、その分野を深く掘り下げることが出来ます。
若い時点でそのような選択をしたことで、(比較的)若くてもすでにそれなりのキャリアを形成することが出来ます。
カウンターのある飲食店に行くことが好きなのですが
それは医者と板前さんはとても良く似ていると感じて
板前さんのプレゼンテーションが非常に勉強になるからです。
飲食店で例えるなら、ラーメンから鮨や天ぷらまで出す食堂よりも
ラーメンならラーメン、鮨なら鮨、天ぷらなら天ぷらに特化した方が、個々の味は良いというのは当たり前のことではないでしょうか?
若いころに眼形成外科に特化したのは、このような理由によります。
一般眼科は一般専門医レベルですが、眼形成領域では誰よりも経験してきたという自負があります。
だからこそ、当院での治療法は、他の施設と異なるのだと思います。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
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公開日:2018.09.03
最終更新日: 2018.09.10
甲状腺眼症パンフレット
甲状腺眼症の小冊子の表紙デザインが上がってきました。
10月上旬に刊行出来ると思います‼‼
赤字ですが、採算度外視で(笑)
300-500円くらいを考えています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
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公開日:2018.09.03
最終更新日: 2018.09.18
眼瞼下垂の手術について
今回はバセドウ病から離れて
良くある眼瞼の手術の話をしたいと思います。
当院では昨年度1年間でぴったり2000件の手術を行いました。
大学病院クラスの実績で、自分でもびっくりしました(笑)
その中で半数を占めるのが眼瞼下垂という疾患です。
眼瞼下垂には大きく分けて、2種類あります。
1つは皮膚のたるみです。
皮膚がたるんで視野の邪魔になったり、まつ毛を下げてしまったりしてしまうものです。
もう1つは何らかの理由でまぶたを上げる筋肉がうまく働かないために、まぶたが上がらないというものです。
皮膚のたるみに対しては、皮膚を切除し、二重まぶたのラインを作成します。
切って縫うだけの単純な術式ではありますが、デザインや縫い方にコツがあります。
目じりの皮膚まで大きく切除しないと、目じりのしわが増えたように感じてしまうことがあるのです。
筋肉が働かない場合(狭義の眼瞼下垂)には、それぞれの病態に応じた手術を行います。
手術は皮膚から行う場合がほとんどですが、
臨床留学していたUCLAでは結膜(まぶたの裏)から行っていました。
これは欧米人では皮膚のたるみが無いことが多いのですが、
日本人では皮膚のたるみが多く、皮膚切除しなければならないため
そのまま筋肉にアプローチする方法が望ましいからです。
眼瞼下垂手術の対象になる方は高齢者が多いのですが
ハードコンタクトレンズを長期に使用されている場合にも眼瞼下垂は起こります。
手術時間は片側で大体10-15分くらいです。
バランスをみるため、片方だけ下がっていても両側同時手術をお勧めしています。
無修正の手術動画を若手医師向けに、Youtubeでも公開しています。
この時は7分かかりませんでしたが、大きく皮膚切除しなくてよければこの程度の時間しかかかりません。手術時間の早さは、技量の裏返しでもあります。(自信アリ)
また、若い方で皮膚を傷つけたくない場合には
結膜から手術することもあります。
まぶたがどうしても腫れたくない方、そして二重まぶたが綺麗に揃っていて皮膚のたるみが無いことが条件になります。
そしてUCLAで行っていた結膜アプローチの手術はこちら
いろいろな術式を、いろいろな病態に合わせて選んで手術を行っています。
もちろん手術なので、常に100%の結果が出るわけではありませんが、
我々は平均点が高くなるような工夫をいろいろな場面で駆使しています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
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公開日:2018.09.03
最終更新日: 2024.04.09
眼瞼後退の治療について
眼瞼後退の治療について
今回はバセドウ病眼症への減圧術ではなく、眼瞼後退の治療について解説します。
バセドウ病眼症では眼球突出するのはご存知の通りですがそれだけではなく、まぶたを引き上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の異常により、片眼もしくは両眼とも眼瞼後退という状態になることがあります。
眼瞼後退になると上方強膜が露出するため、ビックリしたような目になってしまいます。
左右差があるとなおさら強調されてしまい、奇異な目つきになってしまうのです。
活動期での治療方法について
上眼瞼挙筋がまぶたを過剰に引き上げていることが原因です。治療としては、活動期には腫れている筋肉の腫れを抑える治療を行います。つまりステロイドの注射、点滴を行います。
上眼瞼挙筋は眼窩の奥にありますが、当院ではまぶたの上から直接注射をします。
すこし奥の方になるので一般眼科の先生方はなかなか手を出しづらいのですが
そこは眼窩の専門家なので(笑)お手の物です。
点滴も同時に行うことがありますが、直接注射の方がパワフルに効くと思います。
ステロイド剤は徐々に吸収されるもので、その効果は約2か月続きます。2か月後に再度、まぶたが上がってしまったらもう一度注射を検討します。
非活動期での治療方法について
非活動期となってしまったら手術が選択肢に入ります。手術には様々な術式があります。
選択肢として、
皮膚切開なのか、結膜切開なのか(表からか、裏からか)
挙筋のどの部分を操作するのか
挙筋を切開するか、切除するのか
挙筋を切離したままにするのか、なにかを入れてくるのか(延長方法の違い)
眼瞼後退への手術で困るのは手術中のまぶたの上がり具合と、最終的な仕上がりが異なる場合があるため、結果の予測ができないことです。
まぶたを下げる手術は予測が出来ないのです。
一方で上げる手術では予測することが出来ます。
だから、手術をして下がりすぎてしまったまぶたを
もう一度上げる手術する、といったように複数回の手術が必要になる場合があります。
先週もお一人、他院手術で下がりすぎてしまったまぶたを上げる手術を行いました。
術中はほぼ完ぺきに左右をそろえられたので自信はありますが、
どのような仕上がりになっているか、再診が待ち遠しいです。
専門医へのご相談はこちら
日本では眼形成の専門医師・専門施設が少なく、治療に対する情報量も少ないのが現状です。
その為多くの場合、病気や事故等によって目の周りの表情が変化した患者さんが自分の症状は治らないものだと思い込んでしまい、元の状態に戻す事を諦めてしまっている事が多いと感じています。
決して諦めないでください。まずは専門医にご相談ください。
ご相談はこちらから
「バセドウ病眼症」関連ページ一覧
バセドウ病眼症への治療についての動画
2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら
OurAgeに特集していただきました
こちらから
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
「1時間で分かる甲状腺眼症入門パンフレット」
こちらから
現物
こちらから
kindle版
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公開日:2018.08.29
最終更新日: 2024.04.03
バセドウ病眼症への放射線治療
急性期のバセドウ病眼症に対する治療は、ステロイドです。
点滴で全身に投与するか、直接まぶたに注射を行います。
それと同時に行いたいのが放射線治療です。
ヨーロッパの学会では35歳以上の眼症の方には放射線治療を進めるべき、とされています。
ただし明らかな効果があるわけではなく、再発予防、くらいの意味合いです。
放射線治療と聞くと、怖いものと思われるかもしれません。
が、実際にすることは大したことはありません。
痛みはありませんし、照射自体もすぐに終わります。
白内障・放射線網膜症・緑内障などの眼球への放射線障害についての説明を受けるとは思いますが、照射範囲に眼球は入っていないため、実際にはほぼこのような合併症は起こりません。
いままでバセドウ病眼症の患者さんを診てきて、明らかな放射線障害は見たことがないのです。
照射線量も癌への照射にくらべて3分の1程度の非常に少ない量しか行いません。
このため発癌性も十分に抑えられていると思います。
ただ2つだけ留意する点があります。
1つ目は、放射線治療は平日10回通わないといけないので時間的コストがかかるということです。
平日10回、つまり2週間まるまる平日に通い続ける必要があります。
その前に照射時に顔を固定する器具を作らないといけないため、そのための通院も数回必要です。
現役世代にとってはとても大きな負担になりえます。
2つ目は、放射線を当てる量が少ないといっても、放射線で組織を焼くので、放射線による急性期障害でまぶたが腫れる、赤くなるということが起こり得ます。
これを軽減するために、放射線治療を受けるときにはステロイド治療を行っている時期に合わせて行うようにします。
再発する方が出来るだけ少なくなると良いと思います。
バセドウ病眼症への治療についての動画
2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら
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公開日:2018.08.12
最終更新日: 2019.03.06
遠方の方々への眼窩減圧術(オペツアー)
遠方の方々への眼窩減圧術の流れについて記載させていただきました。
当院ではオペツアーと称しています。
詳細は以下をご覧ください。
https://ameblo.jp/kashitomo52/entry-12395961924.html
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