公開日:2019.07.08
最終更新日: 2019.07.13
凹んだ眼球も治します – 眼窩骨折の治療①
凹んだ眼球も治します - 眼窩骨折の治療①
当院で、バセドウ病で眼窩脂肪が増えて眼球突出という状態を治すことを行っているのは当ブログの読者の方々はご存知だと思います。
眼窩減圧術という手術で、目の奥の増えた脂肪や骨の一部を取ることで
眼の奥のスペースを大きくして目を凹ませるのです。
専門的な知識が必要で、たぶん当院がダントツ日本で一番手術やっています。
では逆に凹んでしまった場合にはどうなのでしょう?
凹んだ眼、これはどんな時に起こるか。
眼を含む骨に囲まれたスペースを眼窩といい
眼窩のまわりの骨を眼窩骨といいます。
眼窩骨の外側は骨が分厚くて硬くなっています。
また上は脳みそになっていて硬膜という硬い組織で裏打ちされています。
その一方で下は上顎洞、内側は篩骨洞というスカスカの空間になっているのです。(画像は下記リンクよりお借りしました)
https://medical.jiji.com/medical/011-0280-01
眼を強打すると衝撃を吸収する過程でこれらの骨が折れるようになっています。
それと同時に眼窩の組織(脂肪や筋肉)がそれらのスペースに飛び出すのです。
これが眼窩骨折と言われる状態です。
折れる場所によって、眼窩下壁骨折、眼窩内壁骨折、はたまた眼窩内下壁骨折なんて言われたりします。
さきほど言った理由で眼窩外壁や上壁の骨折はなかなか起こりません。
眼窩骨折が起こって眼窩組織がスペースに飛び出すと
必然的に眼窩全体がそちらに引っ張られて、目が凹んだり、
筋肉が引っ張られることでダブって見えるような症状が出たりするのです。
目が凹んでしまった状態を、眼球陥凹と言います。
今回のシリーズは、この目の凹んでしまった方々の話をしたいと思います。
2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
「1時間で分かる 甲状腺眼症入門パンフレット」
https://oculofacial.page.link/pamphlet
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公開日:2019.07.03
美容外科手術後の修正④
美容外科手術後の修正④
筋肉を後転してまぶたを下げ、眼瞼下垂という病的な状態にしました。
そもそも最初の手術のまぶたよりも下がっている状態です。
わざとその状態にして、1週間過ごしてもらいました。
下げることがどういうことか、実際に体験してもらったのです。
その状態になって初めて患者さんは気付いたのです。
「下げれば良いわけでは無い」
「自分がなりたいのは、このまぶたではない」
しっかりと自覚してもらいました。
でも下げたということはもう一度上げなければなりません。
確実に再手術が必要になります。
再手術にも時間的なコスト、そして医療用の糸や覆布など金銭的なコストがかかるのです。
下げることを決断した時点でさらに2回の手術を覚悟しなければなりませんでした。
でも患者さんが幸せになるためには
どうしても一度眼瞼下垂になってもらう必要がありました。
その結果、下げすぎるとどうなるか
どんな見た目になるのかを体験してもらいました。
体験してもらったところで
下がりすぎは理想と違うということが、やっと分かってもらえました。
その後、理想的と思われる位置まで上げる手術をしました。
結局、最初の修正手術から5回の追加修正手術、トータルで6回の手術を行ったのです。
最初の手術が、きちんとご本人が理解した上で行えていたら。。
最初の手術で、美容外科のドクターが挙筋短縮は必要ないと正確に診断できていたら。。。。
いくつもの不幸が重なって、あのような状態になっていました。
最後の修正の後も、二重瞼の形状や眼瞼縁の形状を気にされていました。
恐らくどんな状態に仕上げたとしても、無限に気になってしまう精神状態なのです。
100点を求める気持ちは分からなくはないですが
医者も人間ですから100点をとることは難しいのです。
(皆さんの中でも人生で100点を取り続けた人はいないと思います)
どこかで手術を受けてから眼瞼の形が思いどおりにならず悩んでいる方がいます。
修正手術はとても大変なので僕が自ら進んで言いたいものではありませんが
当院であれば何かしらのお手伝いが出来るかもしれません。
またこれから美容外科で手術を受けようと思っている方は
術後の見た目が、自分が思い描いている姿にならない可能性があるということを自覚されると良いと思います。
もちろん当院で手術しても同じように望まない結果が出る可能性もあります。
が、どうなってもある程度は修正手術が可能である、
という意味では一般のクリニックとは、すこしポジションが違うのだと思います。
出来るだけ多くの人が、幸せな人生を送れますように。
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公開日:2019.07.01
美容外科手術後の修正③
美容外科手術後の修正③
筋肉を伸ばして固定し
まぶたを下げることが出来ました。
上の白目は見えなくなって、より良い表情にすることが出来たのです。
ただし、そこからが大変でした。
以前の手術後に大きく顔貌が変化してしまっています。
皮膚も脂肪も筋肉も切除され、元にはどうやっても戻りません。
となると基準となる状態、理想とするものがないのです。
まさに宇宙空間で漂っているように上下左右、天地が分からないような状態です。
そうなると自分自身で何がベストなのかわからない。
これだ!という不自然ではない位置にまぶたを固定しても
「まだ上がっているのではないか?もっと下げられないか?」
という訴えが出てしまうのです。
先述のようにまぶたを上げることも下げることも
たくさんの手術をしているので相当得意な方だと思いますが
それでも「やっぱりもうこれ以上は無理なんですかね。。。」なんて
完全なマイナス発言が出てくる始末。
眼形成と美容の専門家として
どのような形状のまぶたが良いのかを常に見ていますから
まぶたを見る目はあると思いますが
とても綺麗で不自然ではない状態にまで下ろすことが出来ていたのです。
この綺麗なまぶたでもそういう考え方をされてしまうとなれば
最終的には、もう手立てが一つしか残っていません。
つまり、、、、、、過度に下げて、下げすぎはダメだということを実感してもらうことが必要だと感じました。
そこで挙筋を大きく後転して、わざと眼瞼下垂の状態になってもらったのです。
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公開日:2019.06.29
美容外科手術後の修正②
美容外科手術後の修正②
患者さんのご希望は最初の手術以前の顔に戻りたい、だったのですが
すでに皮膚を切除されており、重瞼をばっちり作られており
眼窩脂肪も切除されていました。
そうなると元に戻すということは出来ないので
過剰に上がっているまぶたを下ろすことだけに専念し
出来るだけ他の部分を触らないで手術すると伝えました。
手術は二重瞼のラインからアプローチし新たなキズは作らないようにしました。
まぶたというのは厚さは数ミリしかないのですが
ミルフィーユのように何層にもなっていて
それぞれに役割があるのでそれらを判別しながら
1層1層丁寧に剥離していくことが大事です。
何もない状態でもミルフィーユを一枚一枚判別していくのは難しいのですが
すでに3回も手術でいじられてしまっている。
中はそのミルフィーユが接着剤で張り付けたようになっていてガチガチの状態。
(身体の組織って一回手術するとまさに接着剤のような瘢痕が出来てしまうのです)
それでも丁寧に丁寧に一枚一枚剥離していきます。
ガチガチで見分けがつきづらいですが、丁寧に。
結膜までアプローチ出来れば、ほぼゴールは見えます。
結膜を剖出し、そのまま上方に剥離を進めると、、、、、
いじられていない組織が見えてきました。
他院手術後の修正手術というのは、いかにして自分の得意な形に引き込むか、にかかっています。
そのためには今までにいじられてしまった組織の外側に辿り着くことが必要なのです。
この時点で、手術としての勝ちはほとんど決まったのですが
実はその後に、もっともっと大きな問題が隠れていたのです。
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公開日:2019.06.28
美容外科手術後の修正①
美容外科手術後の修正①
開院から1年が経過し徐々に皆さんに知っていただくことが出来てきました。
皆さんさまざまなお悩みで来院されますが
ほとんどの場合他院で治療を受けたが治っていないか
治療を断られた患者さんが多いです。
最近の患者さん、美容外科で手術を受けられたあとで
お顔の状態が崩れてしまって
その修正を希望されて来られるかたがいらっしゃいました。
二重の手術を希望して美容形成外科に行ったのですが
眼瞼下垂ではなかったのに担当の先生のお勧めのままに挙筋短縮を行い
上眼瞼が上がりすぎて、ぎょろっとした眼になってしまったのです。
そのまま待っていれば治るからと言われて待っても治らず
他の高名な美容外科の先生のクリニックで修正の手術をお願いしましたが
創を開けてみたけれど、筋肉が癒着していてまったく下げることが出来ず
さじを投げられたのです。
いろいろさんざん悩みぬいた末に、インターネットで調べて当院にいらっしゃいました。
ご本人がおっしゃる通り確かに挙筋を短縮しすぎていて上の白目が露出し
ひと目でやりすぎだとわかる状態でした。
患者さんご本人は以前の美容外科の経験から
半分あきらめモードで、藁にもすがるような気持で受診されました。
まぶたを何回も手術されている以上
開いてみなければどんな状態になっているかわかりません。
確実に治せる保証はないのです。
美容外科手術後の合併症の修正ですから
健康保険では治せません。
高額な自費の手術になります。
そしてご本人の精神状態はかなり落ち込んでいて
何を話してもダメだったらどうしよう。。と考える鬱状態。
この状態で手術をすると何をどうやって仕上げても
細かいところが気になってしまって
満足するのは到底無理になってしまうのです。
つまり手術を引き受ける側からすると
ババ抜きのババを引くような悪条件でした。
でも僕は今まで美容外科手術後の修正を何例も経験しています。
美容外科や形成外科の先生たちは本当に深いところ、手を出しづらいところまでは
手術で手掛けることが出来ないと知っています。
さらにバセドウ病眼症の眼瞼後退で吊り上がったまぶたを治しているので
吊り上がったまぶたを下げることは誰よりも数多くやっており
むしろめちゃくちゃ下げられる手術法を持っていますから
決して確定的に話はしませんでしたが
引き受けられるのは自分しかいないなあと思って
ご本人が希望すれば、やります、とお伝えしたのです。
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公開日:2019.06.21
最終更新日: 2023.12.28
自分が患者になってみた④
手術台に横たわるといろいろな器械がつけられます。
心電図、酸素モニター、血圧計。
そして麻酔科ドクターが
「眠くなっていきますね~」
と言いました。
あれ?あんまりぼうっとしないなあ
なんてことを考えていたら2-3秒で顔全体が少し熱っぽくなってきたなあと思ったら
あっという間に視界がぼやけて暗くなり電源が落ちたように真っ暗になりました。
と思ったら「はっ」と目が覚めて、、、
手術は終わっていました。
まったく痛みがありませんでした。
本当に本当に全身麻酔は素晴らしいです。
まったく恐怖を感じなかったのです。
覚醒も良好で、すぐにリカバリーに戻りましたが眠くもなく
付添者と普通に話をすることが出来ました。
30分後からは飲水可能。
先述の通り、脱水状態になっていましたので
ペットボトルの水を飲み干しました。
手術時間20分、部屋に戻ったのが9時50分くらい。
覚醒は良好だったのですが、
そのクリニックの決まりで退院は午後2時以降になるため
本当にやることなく(笑)過ごしました。
ちなみに当院では覚醒したら順次帰宅していただいています。
iPhoneで本を読んで過ごしたのですが
充電が気になったので、これから当院では全身麻酔の患者さんには
今後、携帯充電器を貸し出そうと思っています。
日帰り全身麻酔手術、やはり素晴らしい価値があります。
そして日帰り全身麻酔での手術、受けて良かった。
経過ももちろんですが
患者になることでいろいろ気付くことが出来ました。
今後、ネット上にご意見箱も設置する予定なので(これもパクリ(笑))
こまごまとしたことでも改善のご意見あれば是非お願いいたします(^_-)-☆
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