公開日:2019.08.01
他院手術後の再手術 難治な方々④
他院手術後の再手術 難治な方々④
症例3 約20歳女性
1年前に大手D美容外科で埋没法の手術を受けましたが
術後に眼瞼の形状が不自然になってしまったので修正希望で来院されました。
この方も症例2と同様に重瞼の位置が高すぎるので
重瞼よりも下の皮膚がたるんでしまっています。
もう一つ、問題があります。
それは内眼角贅皮という目頭の皮膚が張り出していることです。
これは蒙古ひだともいわれるもので
アジア人とくに東アジア人に多くみられるものです。
蒙古ひだが張ってしまっているので
いくら上眼瞼を綺麗に仕上げても
下に引っ張られてしまう以上綺麗な重瞼線にはなりません。
このためこの方には内眥形成術(目頭切開)と
上眼瞼の皮膚切除、重瞼作成を行いました。
術後、平行型の綺麗な重瞼線が出来て表情も自然になりました。
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2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/
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公開日:2019.07.30
最終更新日: 2024.03.15
他院手術後の再手術 難治な方々③
他院手術後の再手術 難治な方々③
症例3 約50歳女性
C病院形成外科で眼瞼下垂手術(挙筋短縮)をしてもらいました。
手術後、皮膚が弛緩してしまい眼瞼の形がおかしくなったため、再度C病院形成外科で修正の手術(皮膚切除と重瞼作成)をしてもらいましたが、やはり眼瞼の形が変だとのことで修正希望にて来院されました。
診察すると前医の手術で重瞼がきっちり作成されているのですが、高すぎる位置に重瞼が作成されています。
よく美容外科や形成外科で眼瞼下垂の手術を受けた術後で、同様の状態になっている方を見かけます。
重瞼の位置は高ければよい、というものでは無いのです。
重瞼は適切な位置でないとその下の皮膚がたるんでしまってこのような状態になります。
黒目の大きさは大きくなったのですが、相対的に皮膚弛緩が強くなってしまっており、さらに重瞼の位置が不自然。
当院での手術は不適切な位置の重瞼を含めて追加で皮膚切除し適切な位置に重瞼を作成しました。
術前は見開いたような目つきでしたが、術後には改善しているのが分かると思います。
バセドウ病眼症への治療についての動画
2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら
OurAgeに特集していただきました
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公開日:2019.07.26
他院手術後の再手術 難治な方々②
症例1 50歳前後男性
A大学病院の美容外科で
皮膚からの脂肪移動術(表ハムラ法)したものの改善なく
有名なB美容外科で結膜から脂肪切除
さらに皮膚切開からの脂肪切除
再度結膜からの脂肪切除
と計4回美容外科での手術を施行された方です。
最後にB美容外科で行った手術では
瘢痕のためほんのわずかな量の脂肪(小豆大と言われたそうです)
しか切除できなかったとのことでした。
どうにか改善したいと悩まれて受診しました。
明らかに大きな脂肪の突出があり
下眼瞼も上眼瞼も膨らんでいました。
この症例の場合、表面の脂肪だけが問題なのではなく
その奥の脂肪も問題なのです。
このためバセドウの方の減圧に準じて眼窩深部の脂肪減圧手術を行いました。
今までに数回の手術を繰り返していますので
入り口は瘢痕でガチガチでしたが
思った通りその後ろ(眼窩深部)の脂肪は操作されていませんでしたので
比較的簡単に切除することが出来ました。
術前後の写真を提示いたします。
このように、表に出ている病態のみを診るのではなく、大きく診ることが大切です。
「木を見て、森を見ず」ということでは、うまく治すことが出来ないのです。
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公開日:2019.07.24
他院手術後の再手術 難治な方々①
開院からある程度の時間が経過し徐々に皆さんに知っていただくことが出来てきました。
当院に来られる患者さんは、残念ながら他院で治療を受けたが治っていないか、治療を断られた患者さんが多く来られます。
当院は眼形成という目の周りの眼瞼や眼窩を専門にしており、そこだけに特化して年間3000件以上という数多くの手術を手掛けて参りました。この数は、国内でも世界でも比類ない数であると思います。
その経験を活かし、他院で行った手術でこれ以上治らないと思われた患者さんであったとしても、当院で何か改善できる場合があります。
https://ameblo.jp/kashitomo52/entry-12486920451.html
美容外科や形成外科などは眼形成に特化していませんから、眼瞼の表面の手術は行っていますが、眼窩などの本当に深いところ、視力や眼球運動に影響が出る可能性のある部位については手を出せないのが実情なのです。
しかし眼瞼の形状はその奥にある眼窩と密接に関連しています。このため眼瞼の異常に見えても、本当は眼窩を治さないといけない場合があるのです。
また一見単純な状態に見えるものでも、視野を大きく広げてみると単純ではない病態もあります。
そのような場合には大きな領域の手術をすることが根治への近道になるのです。
このような症例を踏まえ、今回のシリーズでは他院で手術をしたけれども上手く治らなかったとのことで来院した症例を、何人かお示ししたいと思います。
※これらの症例は、容姿の改善や美容外科手術後の合併症に対する治療となるため、100%自費治療となります。
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公開日:2019.07.22
手術後に目が動かない眼窩骨折④
手術後に目が動かない眼窩骨折④
その難問とは、、、
以前も書きましたが、分厚い瘢痕組織がすでに出来上がってしまっていたのです。
一般の方々は瘢痕がどんなものか分からないと思います。
例えて言うならボンドのようなものです。
まさに接着剤のようなもの。
時間が経てばそれは白く硬い組織に変わっていきますが
2週間の時点ではボンド程度の硬さです。
骨片を除去した後でしなければならないことはそのボンドのような瘢痕組織を除去することでした。
骨が接触していた部分はすべて瘢痕に置き換わっています。
これまでの経験から瘢痕を除去しなければ眼球運動は戻らないということを知っていたため
目に見える瘢痕組織をすべて除去することにしました。
これが大変で。。。
手術で見える範囲(術野という)を広げていますが
例えて言うならズボンに手を突っ込んだだけのような視野しかありません。
そのなかでまき散らされたボンドのような瘢痕をすこしずつ切除していくのです。
少しずつ、少しずつ。
一番大事なのは下直筋の周囲の瘢痕がすべて除去されていることです。
下直筋の周辺を特に念入りに剥がしていきます。
瘢痕を切除すると、それまで動かなかった眼球が動くようになりました。
(Forced duction testによる)
ここまで来て初めて手術を終えることが出来たのです。
しかし。
術中にはかなり動くようになった実感がありましたが
術後2週間で来院されたときには眼球運動の改善はありませんでした。
あれだけ瘢痕を除去しても、眼球運動障害が治らない。
実は今までの経験上、眼窩組織が瘢痕化した症例で
眼球運動が正常化もしくは改善した症例を知りません。
間違った手術で眼窩を傷めてしまうと、もう元には戻れなくなってしまうのです。
今後、テクニックの発達で治せるようになるのかもしれませんが
現状では治すことが出来ない。
となると一番の予防策は瘢痕を作らないこと。
つまり、きちんと眼窩を理解しているドクターのところで
きちんとした初回手術を受ける
ということに尽きるのです。
最後に。
初回のバルーン手術を担当したドクターは
某大学の形成外科の元教授(!)でした。
肩書がすべてではないことがお分かりいただけたでしょうか?
例えホテルオークラの元総料理長だったとしても
フレンチから寿司からお好み焼きまで全てを高いレベルで知っているわけではないし
むしろ一つ一つを見たら、銀座のそれぞれの専門店より
レベルは低いに決まっているのです。
眼窩の取り扱いは、眼窩のことが分かっている医療機関へ。
これが大原則です。
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公開日:2019.07.20
手術後に目が動かない眼窩骨折③
手術後に目が動かない眼窩骨折③
来ていただいたすぐ翌日に全身麻酔での手術を組みました。
まず行ったのは上顎洞に入ったバルーンの除去。
まず前医の切開創の抜糸から。
上くちびるの裏が創部なのでその部位の抜糸をします。
眼科医ですが、口の中も手術します(笑)
そこから上顎洞の前壁にアプローチしたところ
とても小さい穴が開いており、そこからバルーンの端が見えていました。
でも、、、、
この穴の小ささを見て思ったのです。
絶対に内部の操作は出来ていない。盲目的にバルーンを膨らませただけだ。
まさに前回書いたお笑い芸人の使うバルーンを布団の前で膨らませただけの状態です。
きちんと直視して再建しているものでないのは明らかでした。
バルーンの素材は非常に柔らかく、内部の生理食塩水を抜きながら、
途中破れたり、千切れたりしましたが、なんとか全てを除去することが出来ました。
その創を閉じて、次に結膜切開から眼窩内に進入しました。
下眼瞼の裏の結膜から眼窩の下縁へ。
骨膜を切開して骨膜下に進入します。
まず折れていない部位の骨を同定するために、骨膜と骨を剥離します。
正常の範囲を見つけて、いよいよ骨の除去に入ります。
通常、眼窩骨折の場合に折れた骨は上顎洞内にあるのですが
今回は眼窩内。
まるで方向が違うのでどうなっているか慎重に剥離を進めます。
眼窩の組織はとても柔らかいので手術器具の先でなでると硬い部分に触れるのがわかりました。
眼窩の中に刺さっている骨片を見つけるのはそれほど難しい問題ではなかったのです。
骨片は見つかりました。
そしてそれを除去するのも難しくありませんでした。
でもその後にそれよりも大きな難問が待ち受けていました。
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