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医師の技術レベルの進歩の違いはどこから来るのか

”医師の技術レベルの進歩の違いはどこから来るのか”

 

前回、どうしても技術が進歩しない医師の話を出しましたので今回はその話を掘り下げていきたいと思います

 

このブログは一般の方も読んでいますので一般の方にも分かるように書きたいと思います

 

 

医師って、みんな同じような技術を持っているように見えます

 

僕らから見たらどの歯医者さんでも同じことが出来るように見えるのと同じように

 

患者さんから見たら、どの医師でも技術レベルは変わらないように見えるのですね

 

 

もちろん医師国家試験をパスして医師免許は持っていますし

 

眼科専門医も持っていますから、タイトルに差は無いように見えます

 

でも実は技術レベルは全然違うのが医者の世界

 

飲食店に例えると、ラーメン屋の味くらい違いがあります

 

ラーメンって、今の時代は大体どこも美味しいと思うのですが

 

30年くらい前は美味しいところは少なくて、本当に美味しくないところもあったんです

 

 

時代の変遷とともに美味しいラーメン屋しか残らなくなりましたが、それでもプールサイドなんかにあるラーメンって美味しくないですよね

 

ああいうイメージです

 

 

寿司で例えるなら、スーパーのパックの寿司、回転ずし、町のカウンター寿司、銀座のカウンター寿司、みたいに美味しさのランクが変わっていきますが、それくらい違うんです

 

ではその医師ごとの技術レベルの進歩の違いはいったいどこから来るのか

 

これは一つ一つの技術を分解して理解して実行できるチカラなのです

 

デザインでも熟練者が何気なく引いているラインにどんな意味があるのか

 

睫毛上5mmなのか6mmなのか

上眼瞼に凹みのある患者の場合にはどれくらい切除すれば良いのか

逆に膨れているまぶたの場合にはどのくらい切除したらよいのか

目じりの皮膚はどこまで切除すればいいのか

どうやってそれを判定するのか

目じりの皮膚割線に沿ってデザインを下げたほうがいいのか

上げたほうがいいのか

 

皮膚のデザインに使う皮膚ペンの使い方だって、習字みたいに使わないとべたべたになってしまってラインがわからなくなります

 

デザインの注意点をぱっと上げただけでもこれくらいはあります

 

ここに患者さん個々人の状態の変化が来るのでそれはもうたくさんのことを考えなければなりません

 

 

これはすべての行程において同じことが言えます

 

手術中に出血したときは止血という作業を行います

 

止血するときに使うのがバイポーラという器械なのですが、この器械の先端部の幅はどれくらいものがよいのか、細い方がいいのか太い方が良いのか、コーティーングされているものが良いのか、止血するときのパワーは強い方がいいのか弱い方がいいのか、先端は閉じていた方がいいのか開いていた方がいいのか、出血点だけを焼くのがいいのかその周囲も含めて焼いておいたほうが良いのか

 

細かく上げると非常に多くの判断をしていることがわかります

 

手術というのはこのような判断の連続で成り立っているのです

 

これらの項目すべてに論理的に答えが出せるように考えているかどうか

 

これこそが、医師によって差が出る原因となるのです

 

経験上、初心者はここまで考えられません

 

デザインは適当に思ったように引いているように見えるし

 

止血もただただバイポーラを使えば止血できるんだな、くらいにしか理解しません

 

 

寿司で例えるなら、、、、

 

ボケーっと見ていれば、回転ずしの職人と、銀座のカウンター寿司の職人のやることに違いはないですよね?

 

魚を切って、酢飯を握って、魚を酢飯と一緒に握るだけですから

 

でもそこには大きな違いがある

 

回転ずしであればおそらくマニュアル通りに切ってシャリをつくって乗せれば良い

 

ですが銀座で寿司やるのであれば、米の種類、米のブレンドの方法、炊き方・硬さ、酢の種類、酢の合わせ方、提供する温度、量、握り方など

 

素人の僕ですらシャリに関してだけでもこれくらいは各店異なる考えのもとで変えて提供しているのを知っています

 

回転ずしの職人と、銀座のカウンター寿司の職人には非常に大きな差があるのがわかりますね

 

 

医者も同じなんです

 

外科医、と言っても良いです

 

細かい手技を一つ一つ突き詰めて理解して、それを正しく選択しているかどうかが外科医としての技術の進歩に関わるのです

 

いままでに何人か、“のび太”のように出来ないドクターのトレーニングを引き受けてきましたが

 

みんなこのような細かいことを突き詰める能力がないのです

 

指摘しても改善されないので、残念ですが能力に実装されていないのでしょう

 

 

僕は、幸か不幸か、非常に若いころから細かく論理的に考える性癖があって

 

「なんでこれはこうなってるんだろう?」とよく夢想している子供でしたので

 

幸いにしてそういう風に考えるのがめちゃくちゃ得意なんです

 

 

だから出来ないドクターの気持ちが全然わからない爆  笑のですが、出来ないドクターは存在するし、そういうドクターはみんな同じような志向を持ってましたね、という話でした

 

最近はそういうことも分かってきたので、才能がないなと思えば早いうちに転職を勧めています

 

眼科医は7-8人に1名

 

形成外科医は、、、、、いままで4名いたのですが、全員ダメでした、、、、(笑)

 

いずれこの話をしたいと思います

 

 

 

 

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2023年 手術実績 11,491件 (2022年1-12月)

うち眼瞼下垂手術 6,241件

 

 

現 涙道涙液学会 理事

元 群馬大学 非常勤講師(2014-20)

元 帝京大学 非常勤講師(2017-19)

元 アジア太平洋眼形成学会 理事(2010-18)

 

 

 

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