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義眼の治療
義眼の治療について
義眼治療する目的とは?
義眼を装着する目的は?と聞かれれば、誰しもが整容面の改善と答えるでしょう。
さまざまな理由により義眼になる方がいらっしゃいますが
眼球が無くなってしまって目が凹んでいたり黒目が白かったりした場合には
目立ってしまうので人の視線が気になってしまいます。
そのような場合に義眼を装用して目立つのを抑えるのですね。
基本的に義眼は個人個人の眼や眼窩の状態に合わせてオーダーメイドで作られています。
義眼師さん(義眼を作る人)たちは、
まぶたの形をより自然にしたいがために義眼の形を整えるのですが
しかしながら眼やその周りの組織(眼窩)の状態がベストでなければ
いくら義眼を作り変えても綺麗な眼にならないのです。
義眼になっている方の
お悩みについて
具体的に義眼になっている方々が困るのは、①上眼瞼の陥凹(へこみ)と、②下眼瞼下垂(下まぶたが下がる)と睫毛内反(逆さまつげ)の2つに集約されます。
具体的に義眼になっている方々が困るのは
- 上眼瞼の陥凹(へこみ)と、
- 下眼瞼下垂(下まぶたが下がる)と睫毛内反(逆さまつげ)の2つに集約されます。
これらはそれぞれ別の部位に起こる異常ですが
実は同じ原因からなっていることは、あまり知られていません。
その原因はただ一つ、眼窩容積の不足です。
義眼を装用しないといけないような方は
眼球の機能が低下もしくは喪失しているはずです。
そのような眼球は小さくなってしまったり、
場合によっては摘出されたりして眼球が無い状態になっています。
眼球の容積が減少している、もしくは摘出されていると、
眼窩全体が落ち込み、特に上のまぶたの凹みとなって表れます。
正常な状態
上のまぶたの凹みもなく、正常な状態です。
義眼台がなく上眼瞼が窪む状態
眼球の容積が減少している、もしくは摘出されていると、眼窩全体が落ち込み、特に上のまぶたの凹みとなって表れます。
上まぶたの凹みを治すために、 義眼を厚く作ると…
義眼師さんたちは上のまぶたのへこみを治す、
もしくはまぶたが下がっているのを治すために
義眼の上の部分を厚く作り、上のまぶたのへこみを治そうとします。
実は義眼の上の部分を厚く作ると、
上方向に圧力が増えるのですが、
下方向にも圧力がかかるのです。
つまり厚くなった義眼は上のまぶたを押し上げるだけでなく、
その副作用として下のまぶたを押し下げてしまうのです。
これが2つ目の病態、下眼瞼下垂(下まぶたが下がる)と逆さまつげの原因となります。
義眼に下まぶたの結膜(しろめ)が押し下げられ、
その結果としてまつ毛が内側に向いて逆さまつげになってしまいます。
眼球の容積が減少したことに対応して、
義眼を大きくしたためにこのようなことが起こってしまうのです。
では下眼瞼がこのような状態になってしまうとすれば、どう対処すれば良いのか。
それは眼窩容積を増やし、義眼を出来るだけ薄く作る、ということが答えになります。
義眼を出来るだけ薄く作ることで、下まぶたへの圧力を減らすことが出来ます。
でもそうするともちろん上まぶたのへこみはより悪化してしまいます。
そのために必要なのがそもそもの眼窩容積を増やすこと。
眼球が小さくなったり、無くなったりした分の容積を補う必要があるのですね。
眼窩容積を増やすためには、何かを眼窩に入れる必要があります。
鼡径部の脂肪や肋軟骨など自分の身体の一部を入れる場合もありますが
手術時間が長くなり身体にキズを作り効果も不定であるため
当院では主として2種類の人工の材料を使用しています。
眼窩容積を増やすための治療方法について
- ヒアルロン酸を用いる方法
- 義眼台として生体親和性のある人工物を用いる方法
1つ目はヒアルロン酸です。
主として美容目的で使用されるヒアルロン酸は、
比較的長期間体内に留まり簡単に注入できるため
気軽に治療を行うことが可能です。
しかし大量に入れることは出来ないということと
効果が証明されていなく、徐々に吸収されていくため
次の材料と組み合わせて行うことが推奨されます。
2つ目は義眼台としてのアクリルやハイドロキシアパタイトなどの生体親和性のある人工物です。
ヒアルロン酸とは異なり、義眼台自体にそれなりの体積がありますので、
一度入れられればそれだけでそれなりの容積を確保することが可能になります。
眼球の体積は約7㏄です。
義眼台により、 義眼は約半分の薄さに。
これが喪失したとしてすべてを義眼で補うなら義眼の体積は5-6㏄程度は必要ですが
直径18ミリの義眼台では3.1㏄、直径20ミリの義眼台では4.2㏄の体積がありますから、
これらの義眼台を入れられれば義眼の体積は2-3㏄で良いことになり、約半分の薄さにすることが可能なのです。
これまでの 義眼台の問題点について
しかしこの義眼台に問題があります。
実は日本国内では認可された義眼台の材料が無いのです。
国が認めた材料がなくとも、医師の判断で認可されていない材料を使用することは可能ですので、以前は全国各地の大きな医療機関で
認可されていない(つまり医療用として認められていない)アクリル等で出来たボールを義眼台として挿入することを行っていました。
しかし昨今の諸問題がすぐに炎上する社会では、
そのような認可されていないものを使って何か問題が起こった場合
とても大きな社会的問題になる可能性があります。
このため大きな医療機関ではそのような未認可の材料は全く使用できなくなってきているのです。
そうなると困るのは患者さんです。
先述したように義眼台が入れられなければ、義眼を大きくするしかなく、
それによって逆さまつげと下眼瞼下垂になる患者さんが続出している、というのが現状なのです。
当院では、生体親和性の高い義眼台を使用しています
こういった事情に対応するため、当院では海外で認可された義眼台を輸入し、
眼窩に包埋する手術を行っております。
この義眼台はアクリルボールと異なり細かい穴が開いているため眼窩の組織に生着しやすく
ばい菌による感染にも強いとされています。
ヒアルロン酸や輸入された材料は、認可されていないため保険が使えませんので、
残念ながら自費の手術になってしまいますが
1.上眼瞼の陥凹(へこみ)と、
2.下眼瞼下垂(下まぶたが下がる)と睫毛内反(逆さまつげ)に悩まれて
より良いまぶたを作りたいと考えている方がいらっしゃいましたら、是非一度ご相談いただけたらと思います。
料金
保険診療
義眼台包埋術 | 約20,000円(1割負担) 約60,000円(3割負担) |
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自由診療
ヒアルロン酸注射 1本 | 95,700円 |
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義眼台包埋術(自由診療)片目 | 330,000円(麻酔・薬剤代含む) |
治療後について
義眼台を入れることで、義眼を薄くすることが出来ます。義眼が薄くなると自然な形状に近くなります。そのほかにも眼瞼下垂や内反(逆さまつげ)などの治療を組み合わせることで、正常眼との差を小さくしていきます。
義眼治療の流れ
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- 来院
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- 手術準備
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- 麻酔薬の注入(鎮静)
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- 手術
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- 麻酔(鎮静)からの回復
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- 退院
義眼の症例
症例1
術前 | 左義眼、眼球陥凹 |
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術後 | 左義眼台包埋、左上眼瞼下垂手術、左下眼瞼下垂手術 |
症例2
術前 | 左義眼、眼球陥凹 |
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術後 | 左義眼台包埋、左眼窩内ヒアルロン酸注入後 |
症例3
術前 | 左無眼球症、眼球陥凹 |
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術後 | 左義眼台包埋術後 |
治療後のアフターフォロー
手術後は約1~2週間後に再診。その後は3か月後に再診して終了。
義眼師について
義眼を作る人のことを指しますが、医師・看護師などと異なり、国家資格ではありません。
お勧めする義眼師
アツザワプロテーゼ
URL | URL:http://www.atsuzawa.jp/ |
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住所 | 〒113-0033 東京都文京区本郷4丁目2−1 |
電話 | tel:03-3811-8577 |
日本義眼研究所
URL | URL:https://gigan.co.jp/ |
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住所 | 〒102-0083 東京都千代田区麹町1丁目5番4号 ライオンズステーションプラザ半蔵門108号室 |
電話 | tel:03-3261-8171 fax:03-3234-0710 |