BLOG医院ブログ
医者に知識がなかった場合、どういう選択をするのか
一般の人から見た専門家というのはどういう風に見えますか?
弁護士なら、どんな裁判でも引き受けてくれるのでしょうか?
フレンチの料理人ならどんなフランス料理も作れるのでしょうか??
ソムリエは世界中のワインを知っているのでしょうか??
どの医者に行っても、全ての病気のことを分かってくれるのでしょうか???
このブログの読者の方々はご存知の方が多いと思いますが
バセドウ病だけ取ってみても、医師によって知識が全然違うのです
眼科医や内科医で、バセドウ病眼症の活動性の有無や
治療法について詳しい人はほとんどいませんからね
つまり、その道の専門家、といっても千差万別であって
いつもやっていること以外のことは、素人に毛が生えた程度の知識・経験しか持っていないことが多いのです
僕がバセドウ病眼症について他のドクターより詳しくても
僕が全ての病気について詳しいのではなくて
白内障とか見てないので、白内障を専門にしている他のドクターの方が詳しいに決まっています
でも眼科専門医を持ってますから、もちろん形成外科のドクターよりは白内障について詳しいです
つまり専門家といっても、その知識にはかなりの濃淡があるのです
だから、当たり前ですけどよく勉強している素人さんの方が知識豊富ということだってあり得ます
勉強していないソムリエよりも
毎晩世界中のワインを開けられるお金持ちの方が色々なワインを知っているのです
病気となれば自分の一生がかかっているので
患者さんは良く調べますから
患者さんの方が知っていることも多いのです
昔は医者に聞くしかなかったと思いますが
いまではネットに情報がありますからね
ただ、ここで注意が必要なのですが
ネットの情報も誰かが書く必要がありますから
最先端のことではないことが載っていることが多いのです
最先端の情報が欲しければ、日本語では無くて英語で調べることです
話が外れました
では専門家が、よく知らない分野のことについて質問されたらどうなるでしょう?
取る対応は二つです
一つ目は、他の専門家を紹介すること、です
専門分野のなかにも得意不得意という濃淡があるので
1つでも高い技術・知識を持っている分野があれば
逆に、自分自身のその他の分野の技術・知識が低いことが分かりますから
高いレベルを持っている誰かに紹介するのが正しいと分かります
だから「僕はこれ不得意だから〇〇に行って」と紹介状を渡すのです
二つ目は、ごまかして何もしない、ということです
紹介したり、治療したり、何かの行動を起こすことには必ずリスクがあります
紹介されて行ってみたけど、全然違う病気だった、となると
そもそもの診断能力が無かった、ということが明らかになってしまうし
治療されたけど、全然効果なかった、お金無駄だった、と思われたら
紹介した方もヤブだった、と言われかねません
そう患者さんに思われたら、自分の信用が落ちてしまいますからね
であれば何もしない方がリスク取らなくて済みます
バセドウ病眼症の患者さんが目がオカシイと訴えても
「腫れていない」「気のせいだ」などと言われるのは
なんとか言いくるめて乗り切ろうとしているのはそういうことです
そんなときはそのドクターを責めないでください
このブログの冒頭にあった通り
全ての専門家が全てを知っているわけでは無いのですから
そのドクターを責めずにそっと他の医療機関を受診すれば良いのです
医者は万能ではないのだ、その知識には必ず濃淡があるのだ
ということを知っておいていただきたいのです
ちなみに、僕は眼科であり、形成手術を専門にしていますが
おじいちゃんおばあちゃんから
「そういえば最近膝が痛い」みたいな相談をされることがありますが
そういうときは優しく
「ここは眼医者だから、整形外科に行ってね」
とお伝えしております
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2019年手術実績 3850件(2019年1-12月)
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/
2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら
OurAgeに特集していただきました
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
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