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凹んだ眼球も治します – 眼窩骨折の治療③
凹んだ眼球も治します – 眼窩骨折の治療③
引き上げる手術の方が、理にかなっているという話をしました。
引き上げる手術、眼窩組織にアプローチするためにはどのような経路があるのでしょうか?
二つあります。
皮膚の切開と、結膜(白目)の切開です。
医師にとって皮膚の切開の方が楽です。
とても大きく創を展開することが出来るので後ろの方まで見やすいのです。
でも、皮膚を切るということは必ずキズアトが残ってしまいます。
どんなに綺麗に縫ったとしても、キズアトは残ります。
人生の大事なパーツである顔に傷が残ってしまう。。。。。
それは出来るだけ避けた方が良いですよね。
当院ではすべての眼窩骨折の手術を結膜から行っています。
結膜は非常に薄い膜で、傷が綺麗に治りやすいことと
そもそもまぶたの裏にあるため切開創は表面に出ないのです。
結膜の切開からのアプローチをお勧めします。
これはすべての眼窩の手術に言えることですが、
100年くらい前の偉大な先人たちが発表した眼窩へのアプローチの方法があります。
クレンライン
リンチ
ライト
すべてバッサリ皮膚を切るアプローチです。
キズは明らかに顔面に残ります。
これらの先人たちが発表したのは遥か100年も前。
明治のころになります。。。。
我々は伝統を重んじる日本人ですからね、すでに決まったこと、前から決まったことを変えられないというのは日本人の弱点で、このようなアプローチが日本中で、本当に日本中でまだまだ行われているのです。
主流と言ってもいいです(笑)
でもね。。。。。
最新の傷が残らないアプローチが考案されているのに
そちらを選ばず、
いたずらに皮膚を切開して、顔にキズアトを作り、
「ケガしたのだから仕方ないよ」「皮膚を切開するのは当たり前だよ」
と患者さんにマイナスを押し付けるのは間違っていると思うのです。
何十年も前の手術のやり方を金科玉条のように守ることにメリットはありません。
ちなみにバルーンの手術は、60年前「ALWAYS三丁目の夕日」の頃の手術です。。。。。
2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/
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