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なぜバセドウ病眼症の治療をしようと思ったのか12
帰国前後からすぐに開業へと動き始めました
物件を見ながら
開業を模索しながら
留学前以上に臨床(患者さんの治療)を行い
それをさらに国内や海外の発表に活かす、ということを繰り返しました
そんな中、海外の学会に行くとしょっちゅうシンガポールの先生方と
一緒に過ごしていたのですが
(悲しいことに日本人医師が1人もいないので)
同年代のドクターからこんなことを言われます
シンガポールDr「台湾大学のLiao先生のところ行ってみた?」
鹿嶋「いや、行ったことない」
シンガポールDr「減圧やりたいならLiao先生の脂肪減圧見たほうが良いよ」
鹿嶋「脂肪減圧?」
シンガポールDr「脂肪をめっちゃ切除して、一日に何人も何人も手術してすごいよ」
どれだけ常識外れかは、シンガポールのドクター達の話し方で分かりました
常識外れすぎて、爆笑、みたいな
これは絶対に忙しくなって身動きが取れなくなるであろう開業前に
見ておかなければならない、そう思ったのです
(実際には開業後の方が休みやすいのですが)
その後、海外の学会で、Liao先生の発表を見ました
データを見ると眼窩脂肪切除による減圧は素晴らしく良いものに思えます
あれは本当なのだろうか、どうしても見に行かねば
会場にいた留学中に知り合った台湾の女性Drに話を聞きます
鹿嶋「あれって、本当なの?あんなに素早く減圧効果得られるの?あんなにいっぱい手術しているの?」
台湾Dr「本当よ」
絶対に見学に行く
そう思って会場のフロアでLiao先生にご挨拶をし
名刺を頂き、それから見学の日程を調整してお願いのメールを送りました
海外の学会に行くことの意味、お分かりいただけますか?
日本だけなら1億2千万人
米国は3億6千万人
米国だけでも3倍の人口があります
3倍の人口、4.5倍のGDP
僕ら以上のノウハウがあるのは、単純計算でも明らかですよね?
実は僕らは肩を並べる大国同士、ではありません
低学年小学生と大人くらいの差があるのです
世界中の人口を考えれば、国際学会にはそれ以上のノウハウが詰まっているのは自明の理です
さらに米国の医師は、医学部在学前・中、そして医師になってからも激しく勉強させられます
ついてこれなければドロップアウトするしかない環境です
その一方で、日本は医学部に入ってしまえば正直ぬるま湯
(今は大きく違うかもしれませんが)
テストさえ赤点でなければ医師になれます(←自分? あ、赤点取ったな(笑))
米国の医師が出来るだけ集団の先頭を走るように教育されているのに対して(進路がこれで来まるから)
日本は集団から遅れなければよいシステム
10年たったらその距離の差はものすごいことになっています
だから僕は海外の学会に参加するのです
常識に捕らわれず、良い医療をひたすら追い求めたい
料理人が常により良い味を求めるように
そこに限界はないのです
だから
クリニックが休診になってても
怒らないでね(笑)
そこかい!