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睫毛重生の本当の話
睫毛重生の本当の話
毛包と脂腺は本来一つのユニットを組んでいてこれをPilosebaceous Unitと言います。
身体中どこでも毛包と脂腺はニコイチなのですが、唯一の例外が眼瞼縁です。(といいつつ包皮もですが)
眼瞼縁だけは毛包と脂腺が分かれて存在し、それぞれが睫毛とマイボーム腺となっているのです。発生の段階でここにエラーが起きるとマイボーム腺から毛髪が生えてしまいます。これを睫毛重生(Distichiasis)と言います。
SJSの場合には涙腺開口部が閉鎖しドライアイにもなっていますのでダブルパンチで角膜障害が重度になります。治療は毛根の除去しかありません。
一言で言うのは簡単ですが毛根ひとつひとつを鉢植えのように切り取るのは気の遠くなる作業ですが、何度も何度も繰り返すと徐々に本数は少なくなります。
鹿嶋の人生で何万人も診察していると思いますが、先天性睫毛重生の患者さんの治療をするのは僕のキャリアで初であり非常に稀な病態であることがご理解いただけると思います。