眼瞼下垂の手術は保険適用になる?適用基準を専門医が解説
「眼瞼下垂の手術を受けたいけれど、費用がいくらかかるか不安……」
「美容外科の高額な見積もりに驚き、保険が適用できるクリニックを探している」
「保険の手術だと、見た目が不自然になったり、希望の二重になれなかったりするのでは?」
このように眼瞼下垂の手術を検討する際、「費用(保険適用)」と「仕上がりの質」のバランスで悩まれる方は少なくありません。
結論から申し上げると、眼瞼下垂は健康保険を適用して3割負担で手術を受けることが可能な場合があります。
ただし、安く済むかどうかだけではなく、「機能の改善」「自然な見た目を取り戻せるか」といった点も重要な判断基準です。
そこで本記事では、眼瞼下垂の保険適用基準から、具体的な費用、そして後悔しないためのクリニック選びのポイントまで、専門医の視点から詳しく解説します。
目次
眼瞼下垂で保険が適用される3つの基準
眼瞼下垂のすべての手術が自由診療(自費)になるわけではなく、保険適用で手術を受けられる可能性があります。
厚生労働省が公表している診療報酬の資料にも、「眼瞼下垂手術は保険適用の対象となる治療」として明記されています。
ただし、「二重にしたい」「目を大きく見せたい」といった美容目的ではなく、機能障害の治療であることが前提です。
明確に数値だけで線引きされているわけではありませんが、一般的に以下の3つの要件を満たす場合、保険適用となる可能性があります。
機能障害がある
眼瞼下垂の機能障害がある状態とは、「まぶたが下がることで、黒目(瞳孔)にかかり、視野が狭くなっている状態」を指します。
特に診断の目安として用いられるのが、「MRD1(Marginal Reflex Distance-1)」と呼ばれる黒目の中心から上まぶたの縁までの距離です。
MRD1が以下の数値になると眼瞼下垂と診断されることが多く、保険適用の判断材料の一つになります。
- 通常:MRD1が約4〜5mm
- 眼瞼下垂:MRD1が3.5mm以下
日常生活に支障がある
ただ「まぶたが重い」という感覚だけではなく、以下のような症状がある場合、機能障害として評価されます。
- 慢性的な頭痛
- 強い肩こり
- 眼精疲労
- おでこの深いシワ(眉を上げて見る癖がある)
まぶたを持ち上げようとして常に額の筋肉を使い、身体全体に負担がかかっているケースでは、医学的治療の対象となる可能性があります。
治療目的であること
保険診療の大前提は「機能回復」を目的とした手術であることで、具体的には以下のような基準で判断されます。
| 保険適用 | 自由診療 |
| 視野障害を改善したい 頭痛や肩こりを改善したい |
目を大きく見せたい 幅広い二重にしたい |
あくまでも「視野の改善」「不快症状の改善」が目的であることが必要です。
関連記事:先天性眼瞼下垂とは?症状から治療法まで専門医が徹底解説
関連記事:眼瞼下垂とは?原因・症状・治療法を解説
眼瞼下垂の手術費用ガイド(保険適用時)
保険適用の場合、手術費用は国が定めた診療報酬点数に基づいて全国一律の費用となるため、両目で約6万円前後(3割負担の場合)が目安となります。
保険適用の注意点として、保険診療は『疾患の治療』を目的とした標準的な医療提供が原則となるため、特定の医師を指名する制度は一般的に設けられていません。
医療機関単位での提供となるため、「この医師に必ず執刀してほしい」というご希望には沿えない仕組みになっています。
そのため、費用面では大きなメリットがありますが、「執刀医を選びたい」「より手術の質を高めたい」という場合には、自費診療という選択肢も検討しましょう。
眼瞼下垂手術の保険診療と自費診療の違い
眼瞼下垂の手術には、保険診療と自費診療の2つの選択肢があり、どちらも症状の改善を目指しますが、以下のように治療の目的・費用・術式の選択肢などに大きな違いがあります。
| 比較項目 | 保険適用 | 自費診療 |
| 目的 | 視野障害・不快症状の改善 | 審美的な美しさの追求 |
| 費用 | 両目:約6万円前後(3割負担の場合) | 両目:約30万~130万円(担当医師による) |
| 術式 | 挙筋前転法など(切開あり) | 切らない術式も選択可能 |
保険診療の特徴
保険診療では、「まぶたの機能を回復させる治療」として手術が行われます。
緩んだまぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)を固定し直す挙筋前転法などの術式が一般的で、「視野が狭くなる」「頭痛や肩こりが起きる」といった症状の改善が主な目的となります。
費用を抑えられるという大きなメリットがありますが、以下の点に注意が必要です。
- 担当医師を指定できない場合がある
- 美容的なデザイン調整には制限がある
自費診療の特徴
自費診療では、機能改善に加えて見た目の自然さや美しさを重視した治療が可能です。
例えば以下のような選択肢も含めて、患者様の希望に合わせた治療を検討できます。
- 二重ラインのデザイン調整
- 左右差の細かな調整
- 切開を伴わない「切らない眼瞼下垂手術」
また多くのクリニックでは、執刀医の指定や術後の修正保証などが用意されていることも特徴です。
関連記事:眼瞼下垂はセルフケアで予防できる?医療機関での治療法を解説
関連記事:眼瞼下垂は手術しないで治せる?セルフケアや手術について専門家が解説
眼瞼下垂手術の流れとダウンタイムについて
眼瞼下垂の手術を検討している方の中には、「手術はどのくらい時間がかかるのか」「ダウンタイムは長いのか」といった不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、一般的な手術当日の流れと術後の回復経過について解説します。
手術当日の流れ
眼瞼下垂手術は、基本的に日帰り手術で行われるケースがほとんどです。
当院では、手術時間はおよそ1時間程度で、点滴を行いながらリラックスした状態で手術を進めます。
局所麻酔を使用するため、手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。
手術後は、まぶたの保護のためにガーゼを貼った状態でお帰りいただきます。
ダウンタイムと生活上の注意点
術後の回復は比較的スムーズで、翌日から通常に近い生活を送ることが可能になります。
主な経過の目安と生活上の注意点は以下のとおりです。
| 期間 | 経過と注意点 |
| 手術翌日 | まぶたのガーゼを外してください。 洗顔は可能ですが、創部を強くこすらないようにしてください。 |
| 翌日〜1週間 | アイメイク・コンタクトレンズの使用は控えてください。 創部を強くこすったり、ぶつけたりしないように注意が必要です。 |
| 約2週間後 | 腫れの8割程度が改善します。 |
| 約3週間後 | 内出血が徐々に落ち着いてきます。 |
| 約半年後 | 腫れが完全に消失し、まぶたの状態が安定します。 |
特に最初の1〜2週間は腫れが出やすい時期ですが、その後徐々に落ち着いていきます。
まぶたの組織が完全に安定し、最終的な仕上がりになるまでには約半年ほどかかると考えておくとよいでしょう。
オキュロフェイシャルクリニック東京では保険適用と自費診療を選べる
眼瞼下垂の治療では、「とにかく症状を改善したい」という方もいれば、「見た目の仕上がりにもこだわりたい」という方もいらっしゃいます。
オキュロフェイシャルクリニック東京では、患者様一人ひとりのご希望に合わせて、保険適用の手術と自費診療の手術のどちらも選択できる体制を整えています。
症状改善を優先したい場合は保険適用
「まぶたが重くて視界が狭い」
「肩こりや頭痛などの症状をまず改善したい」
「なるべく費用を抑えたい」
このように、機能面の改善を第一に考える場合は、保険適用での眼瞼下垂手術という選択肢があります。
健康保険を利用することで、費用を抑えながら視野障害や不快症状の改善を目指すことが可能です。
ただし、保険診療では国が定めたルールに基づいて治療が行われるため、手術を担当する医師の指定ができない場合があります。
見た目にもこだわりたい場合は自費診療
目の機能を改善するだけでなく、以下のようなご希望がある方は自費診療の手術を選ぶことが多いです。
- 二重のラインも自然に整えたい
- できるだけ違和感のない仕上がりにしたい
当院の自費診療は「執刀医の選択」が可能であり、さらに術後の仕上がり保証として「1年間の修正対応」が可能なため、安心して治療を受けていただけます。
視野の改善と自然な見た目の両方を重視される方には、自費診療という選択肢を検討されることもおすすめです。
オキュロフェイシャルクリニック東京の眼瞼下垂手術を詳しく見てみる
まとめ
眼瞼下垂のうち、機能的な問題が認められる場合には、健康保険を適用して手術を受けられる可能性があります。
保険診療と自費診療では目的や選択できる術式、医師の選択などが異なるため、ご自身の症状や希望に合わせて治療方法を検討することが重要です。
オキュロフェイシャルクリニックでは、眼形成外科を専門とする医師が診察を行い、機能面の改善と自然な仕上がりの両立を目指した治療をご提案しております。
保険診療と自費診療のいずれにも対応しており、患者様一人ひとりの状態やご希望に合わせた治療方針のご案内が可能です。
「まぶたが重くて見えにくい」「最近、肩こりや頭痛が続いている」「手術を検討しているが費用や仕上がりが不安」と感じている方は、一人で悩まず、まずは専門医にご相談ください。
監修者情報
オキュロフェイシャル
クリニックグループ代表
鹿嶋 友敬
クリニックグループ代表 鹿嶋 友敬
経歴
- 2002年
- 群馬大医学部卒 群馬大学 眼科学教室
- 2004年
- 伊勢崎市民病院
- 2005年
- 群馬大 眼科
- 2007年
- 聖隷浜松病院 眼形成眼窩外科へ国内留学
- 2009年
- 群馬大にて眼形成外来を開設
- 2012年
- 学位取得 群馬大学眼科 助教
- 2010年
- アジア太平洋眼形成学会理事
- 2015年
- カリフォルニア大学 ロサンゼルス校へ留学
- 2017年
- 新前橋かしま眼科形成外科 クリニック 開院
- 2018年
- オキュロフェイシャルクリニック 東京 開院
- 2019年
- The NewYork Times特別企画「Next Era Leaders 2019」選出
- 2020年
- アメリカ眼形成学会(ASOPRS)会員
資格・所属学会
- 日本眼科学会
- 眼科手術学会
- 臨床眼科学会
- 涙道涙液学会
- 眼瞼義眼床研究会
- 甲状腺学会
- 眼窩疾患シンポジウム
- 眼形成再建外科学会