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【眼球突出】原因の約9割はバセドウ病による甲状腺眼症|専門医による症状・治療法を解説
眼球が本来あるべき場所よりも表へ飛び出してしまう眼球突出。
その多くの原因はバセドウ病(甲状腺機能亢進症)に伴う甲状腺眼症です。
本記事では、眼球突出の症状、そして眼形成を専門とするオキュロフェイシャルクリニックがご提案する治療法を詳しくご紹介します。
眼球突出の医学的な分類
眼球突出は、突出した眼球の状態によって医学的に分類されています。
はじめに、NO SPECS分類による状態、そして突出の程度ごとの症状を解説します。
NO SPECS分類
NO SPEC分類による眼球の状態は以下のとおりです。

- N(No signs or symptoms):眼症状はなし
- O(Only signs):目の突出や眼瞼の腫れ、眼瞼裂の広がり(目が大きく開いた状態)などの兆候があるが、症状はない
- S(Soft tissue involvement):眼球周囲の軟部組織(目の周りの腫れや炎症)が関与している
- P(Proptosis):眼球突出がある
- E(Exophthalmos, corneal involvement):角膜の露出や乾燥、視力障害が生じる
- C(Corneal involvement):角膜の損傷が進行している
- S(Sight loss):視力喪失、視神経の損傷が進行している
眼球突出の程度
眼球が突出している場合、その突出度合いによって患者様ご自身が感じる症状は異なります。
- 軽度(1-2 mm):目の乾燥や異物感を感じる程度
- 中等度(3-4 mm):眼瞼の下垂や視野の狭窄が見られることがある
- 重度(5 mm以上):視力障害、角膜の露出、眼瞼の閉じにくさ、視神経の圧迫による視力低下などが進行
眼球突出の最大の原因は「甲状腺眼症(バセドウ病)」
バセドウ病が原因による眼球突出は、甲状腺の働きが自己免疫によって攻撃され、眼球周辺の筋肉(外眼筋)や脂肪(主に眼窩脂肪)が炎症を起こし、眼窩内の圧力が高まることで眼球が前へと押し出されて起こります。
眼形成専門クリニックである当院での治療について
眼形成専門であるオキュロフェイシャルクリニックでは、これまで眼球突出にお悩みの患者様を数多く治療してまいりました。
当クリニックでは、炎症期には眼窩内(目の奥)の炎症が起こっている部分に対し、直接炎症を抑える薬(ステロイド)を注射します。
この方法は、行っている施設はまだ限られますが、ステロイドの内服や点滴に比べて副作用が少なくかつ効果が大きい治療法です。
薬によって炎症が落ち着いたら、突出した目を凹ませる手術として「眼窩脂肪減圧手術」を行います。
多くの施設では骨を削ることによる骨減圧手術を行っていますが、骨を切除するため身体的な負担が大きいといったデメリットがあります。
しかし、「眼窩脂肪減圧手術」は脂肪のみの切除による減圧手術のため身体的負担が少なく、かつ切除する脂肪量により変化の予測もつけられるところがメリットです。
まだこの術式を行っている施設はほとんどありませんが、オキュロフェイシャルクリニックでは患者様にとってできるだけ負担やリスクを少なくしつつも、眼球突出を治すために「眼窩脂肪減圧手術」を行っております。
YouTubeチャンネル:オキュロ鹿嶋の眼形成講座を見てみる
【FAQ】眼球突出に関するよくある質問
眼球突出についてよくいただくご質問をご紹介いたします。
眼球突出を自力で治す方法はありますか?
自力で治す方法はありません。また、力を込めて押し戻そうとすることは絶対にやめてください。
生まれつき眼球突出になることはありますか?
非常に稀ですが、可能性はあります。当クリニックではバセドウ病とは関係ない眼球突出のご相談も承っております。
片目だけ眼球突出の場合でも治すことはできますか?
これまで、片目だけ眼球突出している方の手術歴も豊富にございます。ぜひ当クリニックへご相談ください。
まとめ
眼球突出が起こってしまうと表情に変化が現れるだけでなく、症状によっては視神経が圧迫され、視力低下や失明のリスクが高まりますが、自力で治すことはできない症状です。
眼球突出に悩み、以前のような自然な表情を取り戻したいとお考えの方は、まずはお気軽にオキュロクリニックへご相談ください。
年間一万件を超える手術実績で培ってきた技術と経験、そして常にアップデートされる知識を活かし、患者様一人ひとりが快適な日常を過ごせるようお手伝いさせてただきます。