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公開日:2024.09.03 最終更新日: 2024.10.04

睫毛重生の本当の話

睫毛重生の本当の話 毛包と脂腺は本来一つのユニットを組んでいてこれをPilosebaceous Unitと言います。 身体中どこでも毛包と脂腺はニコイチなのですが、唯一の例外が眼瞼縁です。(といいつつ包皮もですが) 眼瞼縁だけは毛包と脂腺が分かれて存在し、それぞれが睫毛とマイボーム腺となっているのです。発生の段階でここにエラーが起きるとマイボーム腺から毛髪が生えてしまいます。これを睫毛重生(Distichiasis)と言います。 SJSの場合には涙腺開口部が閉鎖しドライアイにもなっていますのでダブルパンチで角膜障害が重度になります。治療は毛根の除去しかありません。 一言で言うのは簡単ですが毛根ひとつひとつを鉢植えのように切り取るのは気の遠くなる作業ですが、何度も何度も繰り返すと徐々に本数は少なくなります。 鹿嶋の人生で何万人も診察していると思いますが、先天性睫毛重生の患者さんの治療をするのは僕のキャリアで初であり非常に稀な病態であることがご理解いただけると思います。

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公開日:2024.09.01 最終更新日: 2024.10.08

重度の眼球陥凹の方への手術

症例 右眼球破裂からの陥凹 義眼装用 至近距離からのゴルフボールにより眼球摘出。 他院で2回手術しましたが重度の眼球陥凹が残り来院。 陥凹が重度でありCTで確認にて頬骨骨折がありました。 骨折と同時に義眼台を包埋して改善することが出来ました! 他院で治らない病気にも対応しています。 お困りの方は是非ご相談ください。 リスク 出血、感染、瘢痕、低矯正、過矯正 料金表 video { width: 100%; /* 動画をレスポンシブ化 */ max-width: 400px; }

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公開日:2024.08.23 最終更新日: 2024.10.08

大手美容で大失敗された人の
修正術

当院では他院の失敗手術の修正も行っています。 この方は業界2番目か3番目の大手美容クリニックで手術を受けて、ひどい状態になってこられました。 当院初診時 ひどい下垂 大手美容クリニック、術後一年です。 1日目 腫れがひどい 1か月目 いろいろひどい 術前 やらない方が良かったんじゃ 修正後2週間 本当に喜んでいただきました! 医者はみな同じではありません! 決断一瞬、後悔一生です。 お医者選びは慎重にお願いします。 video { width: 100%; /* 動画をレスポンシブ化 */ max-width: 400px; }

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公開日:2024.08.20 最終更新日: 2024.10.08

下眼瞼があっかんべーに
なりやすい理由③

次に2つ目の瘢痕です。 眼瞼の内部の組織に瘢痕化が起きると下眼瞼が下に引っ張られてしまいます。 まばたきの時に動くのは上眼瞼だけだと思っている方も多いと思うのですが実は違います。 下眼瞼も上方に偏位し上下の眼瞼が協働して目を保護しているのです。 ですから下眼瞼が瘢痕化して動かなくなってしまうとまばたきが正しく出来なくなってしまいうので目が閉じられなくなってしまうのです。 この瘢痕化、いままでたくさんの患者さんを診てきた経験から、ほとんどの症例で“眼窩隔膜”に起きています。 眼窩隔膜が瘢痕化するとあの薄い眼窩隔膜がガチガチになってしまい、まぶたが下に引っ張られ、あっかんべーの状態になるのです。 では瘢痕化が起きる原因はなんでしょうか?? それは“侵襲”の一言に尽きます。 たくさんの操作を行うと組織はダメージを受けます。細胞一つひとつがダメージを受けたり壊れたりすると、内部から炎症を起こす物質が漏れ出ます。炎症を起こす物質が多ければ多いほど、術後に腫れます。 腫れるだけでなく、赤くなって痛みも出ます。 これは術後すぐに起きる変化ですね。 だんだん炎症は収まっていきますが、その過程で組織は瘢痕化し、固くなっていきます。 この瘢痕化が下眼瞼では眼窩隔膜に起きるのです。起きるのですが圧倒的に眼窩隔膜に起きやすい。これまで見てきた瘢痕によるあっかんべーの人はほとんどが眼窩隔膜の瘢痕化が原因だったのです。 瘢痕化を起こさないためにはどうしたら良いのか それは侵襲を少なくすること、に尽きます。 当たり前ですよね、、、侵襲を少なくすればいい 壊れる細胞の数を少しでも減らすこと それに尽きます。 でもこれがまた難しいのです。 侵襲を少なくするには、二つの要素があります。 それは手術手技で侵入する部位と、手術にかかる時間です。 人体には、筋肉、血管、神経、脂肪などそれなりの意味のある構造が存在します。 そしてそれらの構造の間には結合組織というものが存在して構造と構造を繋いでいます。 この結合組織は線維であって細胞はほとんど存在しません。手術で組織の内部に入った時にこの構造物へのダメージを最小限にし、出来るだけ結合組織の内部を進入していくことこれによって組織へのダメージを最小限にすることが出来ます。 ただし言うのは簡単ですが、やるのは難しいんです。そもそもですが、顕微鏡を使って眼瞼の手術をするドクターはほとんど存在しません。大体は肉眼か使ってもルーペです。 それであれば構造の間の結合織だけに入るなんてことは出来ないのです。 結合織に入れなければ、余計な構造物を切ることになり、それは細胞のダメージになります。 細胞のダメージになれば侵襲となり、瘢痕化の原因となるのです。 まずこれが第一点 それから手術時間が長くなると、壊れる細胞が多くなりますから手術時間は短い方がよいのです。 僕が裏ハムラをやると、順調にいけば30分くらいで終わります(先日25分で終了しました)。 でも他の施設で3時間かかった、なんて話はザラにあります。 当院で研修中のドクターでも1時間半くらいかかります。 当たり前ですが、3時間組織をいじられ続けていたらどんどんボロボロになっていって細胞は壊れてしまいます。 30分で終わる僕の6倍の時間がかかっているので、少なくとも6倍の細胞が壊れているはずです。 さらに言えば、解剖学的に構造物と構造物の間の部分に入れていないからこそ時間がかかると思えば、構造物に迷入してしまっている以上、さらにもっと多くの細胞が壊れていることになります。 手術時間の短さというのは、雑だから時間が短くなるということではなく、しっかりと要点をつかんで、最短距離が分かっているかどうかにかかっているということなのです。 もちろん雑にやっても短くなるかもしれませんが、間違った場所を切ればその分出血が増えて時間がかかるようになってしまうのでやはり最短距離を進めるかどうかが時間短縮できるかどうかのカギになります。 結論ですが、下眼瞼の手術をしてあっかんべーを作らないようにするために必要なのは 1.皮膚を取らない、取りすぎない 2.適切な構造に侵入し、余計な侵襲を作らない 3.手術時間は出来るだけ短くする この3点に集約されるということです。 video { width: 100%; /* 動画をレスポンシブ化 */ max-width: 400px; }

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公開日:2024.08.19 最終更新日: 2024.10.04

下眼瞼があっかんべーに
なりやすい理由②

今回の投稿は前回からの続きです。 まだ読んでないかたは前回の投稿を読んでからこちらをご覧ください。 では先に挙げた2つの原因について見ていきましょう。 まず1つめですが、皮膚の過剰切除についてです。 上眼瞼は年齢とともにたるみが増えていきます。 下眼瞼も同様なのですが、上眼瞼とは条件が違います。 それは皮膚が増えるのと同時に、頬のたるみが増していくということです。 何が言いたいかというと、加齢に伴って頬のたるみが増す分、重力によって頬が下がっていくのです。 だから下眼瞼の皮膚が増えたとしても、差し引きすると上眼瞼のように皮膚が余剰にならないということです。 この重力によって、という言葉がカギになるのですが、手術の時というのはベッドに寝た状態でデザインを行います。ベッドに寝ているこの時には頬に重力はかかりません。 よって頬が起きている時よりも上がっているのですね。 術者にとっては頬が上がっていることに気付かなければ、より皮膚が余っていると誤認しがちな状態になっているのです。 これが皮膚を取りすぎてしまう理由です。 この状態でぴったりに皮膚を切除すると起きた時に頬が下がりますから、その頬の重力がダイレクトに下眼瞼にのしかかることで先述のおデブさんのハンモック状態になってあっかんべーになってしまうのです。 これを防ぐにはどうしたらよいのか これには下眼瞼皮膚を切りすぎないということに尽きます。 というか出来るだけ下眼瞼の皮膚は取らない・しないことです。 我々のグループでは目のクマの手術を行う時に下眼瞼皮膚を出来るだけ取らないように気をつけています。 いわゆる裏ハムラという手術を勧めているのですね。 皮膚から入る表ハムラを行う時でも、最小限の皮膚切除しか行いません。 また表ハムラの場合には必ず眼輪筋を傷つけてしまいますから、筋が一時的・部分的にでも眼輪筋は麻痺を起こします。これもまたあっかんべーの原因となるのですね。 ですから僕は表ハムラよりも裏ハムラを勧めています。 当院では基本的に裏ハムラを行っていて、皮膚の切除・切開はおこなっていないのです。 もし皮膚弛緩が気になるようなら3か月後に追加切除しています。 これは術後に起きる外反を避けるためなのです。 ただし裏ハムラにもデメリットがあります。 それは術野が狭いので技術が無いと出来ない、ということです。 狭い術野から何かを行うには、内部の構造をよく知らないといけないのですね。 直接見ることが出来ない部分もありますから、解剖だけでなく、内部の操作によって組織がどのようになっているか分かっていなければいけないのです。 つまり、技術、と、経験、の二つが必要になります。 表ハムラであれば、直視することが出来るのでいろいろな操作を行うことは簡単なのです。 裏ハムラだと直視できない部分があるのです。 裏ハムラは技術を必要とする、これが裏ハムラを行う医師が少ない理由になります。

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公開日:2024.08.18 最終更新日: 2024.10.04

下眼瞼があっかんべーに
なりやすい理由①

ハムラ後にあっかんべーになる原因 当院では下眼瞼の術後あっかんべー(正式には眼瞼外反といいます)の修正手術も行っています。昨今、大手美容外科がこぞって目のクマの手術を宣伝している関係で下眼瞼の手術の件数が大きく増えているのだと思います。 上眼瞼と下眼瞼というのはミラーイメージと言われているのですが、解剖学的構造が似通っているので理解しやすいのですね。 ただし上眼瞼と下眼瞼では大きく異なる点があります。それは重力のかかり方です。 上眼瞼にかかる重力は眼瞼そのものや眼瞼の皮膚をそのまま真下に引っ張る力として働きます。 ですから垂れた分だけ切除すればいいのです、非常に簡単な話です。術後に眉毛が下がってきて再手術する必要性が出ることも多く、つまり低矯正になりやすいのですが、基本的にはやりすぎることはほとんどありません。 一方で下眼瞼にかかる重力は非常にやっかいです。下眼瞼は下眼瞼だけの重力を支えているのではないのです。その下にある頬部の皮膚・軟部組織すべてを支えなくてはいけません。そこそこ重量のある構造が下眼瞼の下にあるということを想像してください。 一方で下眼瞼を上に引っ張る力のある組織というのはわずかに外眥と内眥に腱があるだけです。例えて言えばハンモックみたいな構造になっています。通常であれば下眼瞼だけの重力を支えているだけなので、人の乗っていないハンモックを想像してもらえたらと思います。 とりあえず頬という非常に重量のある組織が下眼瞼の真下にあり、下眼瞼は目じりと目頭の非常に心もとない構造で支えられているということを理解してください。 その上で下眼瞼の皮膚を切りすぎたり、内部が瘢痕化したりすると、それまでは骨や側頭部の筋膜などにぶら下がる形になっていた頬の組織の重量が直接下眼瞼にかかるようになるのです。 下眼瞼はハンモックみたいな構造になっていると書きましたが、ハンモックような構造なので下にひっぱる力には非常に弱いのですね。ハンモックに超肥満の人が乗ったような状態を想像してください。 ベッドの足など、中央に重量を支える構造があればいいのですが、ハンモックにはおデブさんは乗っちゃダメですよね。 両側にある支柱が壊れちゃいますし、壊れておデブさんは地面にたたきつけられてしまいます。 まさに、これが下眼瞼が外反になりやすい理由になります。

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