重瞼の幅と見開きの
関係のイラスト
患者さんへの説明用にイラストを作りました。 ガチャピンをモデルにして見開きと重瞼高の関係を説明したものです。 これを説明するのが毎回難しいんですが、イラストにしてみました! 皆さん、わかります???
詳しくみる患者さんへの説明用にイラストを作りました。 ガチャピンをモデルにして見開きと重瞼高の関係を説明したものです。 これを説明するのが毎回難しいんですが、イラストにしてみました! 皆さん、わかります???
詳しくみる目もと眉リフトの適応となる患者さんについて 当院で行っている目もと眉リフトは、内視鏡を使用して目もと・鼻の横ジワ(バニーライン)、おでこのたるみ、眉間のしわを改善する手術です。 この手術は、主に額や眉のたるみやシワの改善させる効果があります。 対象となる患者さんは、以下の通りです。 1.額や眉間のしわが目立つ方 年齢を重ねることで、額や眉間に深いしわが現れることがあります。これにより、疲れて見えたり、怒っているような印象を与えることがあります。 このようなしわは、通常のスキンケアやボトックス治療では十分には改善できないことが多いです。 目もと眉リフトではこれを効果的に治すことが可能です。 内視鏡技術を使うことで、皮膚を切開せずに皮膚のたるみを引き締め、より若々しい外観を取り戻すことができます。 2.眉の位置が下がり、視覚的に重たい印象を与える患者 加齢により、眉の位置が下がることで目元が重く、視界が狭くなるといった問題が生じることがあります。 眉毛が下がると、常に眠たそうな表情や、無気力な印象を与えることもあります。 目もと眉リフトは、このような眉の下垂を改善し、自然な位置に眉を引き上げることで、目元を明るく開放的に見せる効果があります。 3.侵襲が少ない治療を希望する患者 従来の前額リフトは、おでこを左右に大きく切り開くために大きな切開が必要であり、回復期間が長いことが問題視されていました。 これに対して当院で行う目もと眉リフトは、内視鏡を使用して小さな切開で施術を行うため、傷跡が目立ちにくく、回復が早いという特徴があります。 手術の侵襲が少ないため、短期間で日常生活に戻りたいという患者に適しています。 4.他の美容治療では十分な効果が得られなかった患者 ボトックスやフィラーなどの非侵襲的治療法では、軽度の額や眉間のしわには効果がありますが、深いしわや著しいたるみには十分な効果が期待できないことがあります。 こうした場合、当院の目もと眉リフトは、根本的な解決策として効果を発揮します。皮膚を物理的に引き上げるため、持続性のある結果が得られます。 以上が、適応のある患者さんです。 これらをまとめたイラストを最上段にアップしてあります。 該当の方は是非、ご相談ください!
詳しくみるいま世界的に甲状腺眼症の治療の話題になっているテツロツムマブ(商品名テペッツァ)ですが、日本での発売が年内に予定されているようです。 この薬剤について解説しましたのでご参考になれば幸いです! テツロツムマブとは テプロツマブ(Teprotumumab)は、バセドウ病に付随する眼窩(がんか)炎症性疾患であるに対する甲状腺眼症(バセドウ病眼症;Thyroid Eye Disease TED)への治療薬として注目されています。 具体的には、テプロツマブは難治性の甲状腺眼症の治療に使われるモノクローナル抗体であり、生物学的製剤と言われるものの一種です。 生物学的製剤は、バイオテクノロジー(遺伝子組換え技術や細胞培養技術)を用いて製造された薬剤で、特定の分子を標的とした治療のために使われています。生物学的製剤は高分子の蛋白質であるため内服では消化されてしまいます。このため点滴あるいは注射で体内に投与します。 テプロツマブの作用機序 テプロツマブは、インスリン様成長因子-1(IGF-1)およびその受容体に対する特異的な抗体です。 IGF-1は、体内でさまざまな細胞の成長や代謝に関与しており、甲状腺眼症では、IGF-1が過剰に活性化されることで眼窩内の繊維芽細胞が異常に増殖し、眼球突出(眼球が眼窩から突き出る状態)や眼球の動きの障害を引き起こします。 テプロツマブは、IGF-1受容体に結合し、その活性を阻害することで、炎症と線維化の進行を抑制します。これにより、眼窩内の炎症反応や組織の過剰な成長を抑え、病気の進行を遅らせることができます。 適応症と治療効果 テプロツマブは、特に中等度から重度の甲状腺眼症を持つ成人に対して適応されます。 甲状腺眼症は甲状腺機能亢進症の合併症として起こることが多く、眼球突出、眼の痛み、斜視、視力障害などの症状が現れます。 これまでの治療法としては、ステロイド療法や放射線治療、外科的手術などがありましたが、テプロツマブは新しい治療選択肢として注目されています。 臨床試験において、テプロツマブは甲状腺眼症の患者において顕著な改善を示しました。特に、眼球突出の減少、眼の乾燥や痛みの軽減、視力の改善が報告されています。また、これらの効果は数ヶ月にわたり持続することが多いとされています。 副作用と安全性 テプロツムマブ療法によるほとんどの副作用は点滴の終了または中止後に消失します。 高血糖が患者の10%にみられ、そのうちの3分の2近くに耐糖能障害または糖尿病の既往がありました。 聴覚障害は、IGFレセプターが内耳に存在することから特に懸念される副作用であり、耳鳴りや聴覚障害は、患者の10%に認められました。 下痢は12%(プラセボ群では8%)にみられたものの、一般に軽度で可逆的でした。 炎症性腸疾患はテプロツムマブ治療の相対的禁忌とされていますが、これは第2相試験で1人の患者が炎症性腸疾患の増悪を、もう1人の患者が外科的介入を必要とする新規の大腸炎を発症したためです。 テプロツムマブ治療によるその他の顕著な副作用は、吐き気(14%)、脱毛症(11%)、味覚異常(8%)、頭痛(8%)、皮膚乾燥(8%)であり、体調が変化してしまう方がやや多いことが知られています。 非活動期への治療 テプロツムマブは主に活動性の甲状腺眼症(TED)、特に炎症があり進行している場合に使用されます。 テプロツマブは、IGF-1受容体に結合し、その活性を阻害することで、炎症と線維化の進行を抑制します。これにより、眼窩内の炎症反応や組織の過剰な成長を抑え、病気の進行を遅らせることができます。 しかし、炎症が沈静化し、病態に継続的な変化がない非活動性甲状腺眼症や安定した甲状腺眼症に対しては、残念ながら一般的にテプロツムマブは適応となりません。 病勢が固定化した後は、患者さん固有の症状やニーズに応じて、眼窩減圧手術や眼瞼手術、斜視手術など外科的治療を考慮する必要があります。 テプロツムマブの費用 テプロツムマブ治療の費用は、特殊な生物学的治療であることを反映して、かなり高額になります。 1コースの治療費用: テプロツムマブ療法の1コースは約6ヵ月間にわたって複数回の点滴が行われ、その費用は米国では約30万~40万ドル(日本円で約5000万円)です。 点滴1回あたりの費用: テプロツムマブの1回あたりの点滴費用は一般的に約2万~3万ドル(日本円で約300~500万円)です。標準的な治療計画では、負荷投与後に3週間ごとに維持投与を行い、合計8回の点滴を行うとされています。 日本での料金がいくらになるのかまだ未定ですが、かなり高額になることは間違いがありません。 テプロツムマブは日本で保険適用になるの? このように高額な薬であるために、医療保険がカバーしようとすると医療費負担増につながります。 このため米国ではテプロツムマブ使用には条件があり、以下のようなものです。 以下の全てを満たす必要があります - 活動性の甲状腺眼症(TED)を伴うバセドウ病と診断され、罹患眼で臨床活動性スコア(CAS)が4以上である。 - 中等度から重度の活動性甲状腺眼症(TED)であり、以下の少なくとも1つを伴う: o 瞼が2mm以上後退している。 o 中等度または重度の軟部組織病変 o 人種および性別の正常値より3mm以上の眼球突出 o 複視 および - 内服または点滴ステロイドに対する治療不耐性がある、もしくは治療したが無効であった、もしくはステロイド使用が禁忌である場合 - そして以下のいずれか o 患者が甲状腺機能正常である[T3およびT4値が正常範囲内]。 o 軽度の甲状腺機能低下症または甲状腺機能亢進症があり、甲状腺機能を正常に保つための治療を受けている。 かつ テペザが内分泌専門医または眼科専門医により処方されている。 テペザは、他の生物学的免疫調節薬と併用されていないこと。 米国食品医薬品局(FDA)が承認した添付文書に従った投与であること。 一生涯に最大8回までの投与が許可され、患者の生涯において8回を超えてテペザを継続使用することは証明されておらず、医学的に必要ではない。とされています。 かなり適応が限定されていることが分かりますね! 適応を限定しないと医療費が枯渇してしまうのでしょう笑い泣き 以上、日本での発売間近のテプロツムマブ(商品名テペッツァ)について解説しました! 参考になれば幸いです!
詳しくみるテプロツムマブの現在までに出されている効果について 前回、テプロツムマブについてのお話をしましたが、副作用や費用、適応などについて語りましたが、効果について書き忘れ(笑)ていたのでここで書かせていただきます。 まずは非常に有名な元UCLAフェローの先輩であるRaymond Douglas先生の論文から Teprotumumab for the Treatment of Active Thyroid Eye Disease Authors: Raymond S. Douglas, M.D., Ph.D et al. Published January 22, 2020 N Engl J Med この論文は全文が公開されています 論文について この論文は、テプロツムマブ(teprotumumab)というインスリン様成長因子I受容体(IGF-IR)阻害剤が、甲状腺眼症(Thyroid Eye Disease, TED)の治療において非常に有効であることを示した臨床試験(OPTIC試験)の結果を詳述しています。 OPTIC試験は、テプロツムマブの有効性を偽薬と比較するもので、主に眼球突出の減少に焦点を当てています。試験には83人の中等度から重度のTED患者が参加し、テプロツムマブ投与群と偽薬群(無治療)に無作為に割り振られ、テプロツムマブは21週間にわたって3週間ごとに静脈内投与され、24週目に主要な結果が評価されました。 主要な結果として、テプロツムマブ群の83%の患者がプロプトシスの2mm以上の減少を示したのに対し、偽薬群では10%のみでした。 この差は統計的に有意で、テプロツムマブの効果が明確に現れました。 さらに、テプロツムマブは炎症スコアの低下や、複視の改善、視覚および外観に関するQOL(生活の質)の向上にも寄与しました。これらの効果は、6週目の初回評価から既に顕著に現れ、24週間にわたって持続しました。視覚的な機能や外観に関するQOLスコアは、テプロツムマブ群で著しい改善が見られ、特に外観に関連するスコアは平均19ポイントの改善を示しました。 さらに、6人の患者に対して行われたMRI解析では、テプロツムマブによる治療が眼筋や眼窩脂肪の体積減少をもたらしたことが確認されました。特に、外眼筋の体積は35%減少し、眼球突出の減少と相関が見られました。 安全性に関しては、テプロツムマブは全般的に良好な忍容性を示し、報告された副作用の多くは軽度から中等度でした。主な副作用としては、筋肉痙攣や高血糖、聴覚障害などが報告されましたが、深刻な副作用は稀であり、多くの患者が治療を完了しました。 総じて、この試験はテプロツムマブが甲状腺眼症に対して非常に効果的であり、眼球突出や炎症、複視の改善に寄与することを示しています。また、これらの効果は治療開始から早期に現れ、治療期間中に持続しました。したがって、テプロツムマブはTEDの新しい治療選択肢として期待されており、患者の生活の質を大幅に改善する可能性があります。 Comment かなり効果的であることがわかります。ステロイドに抵抗性のある患者さんに対して、明るい希望となったのではないでしょうか。ただしこれらは中等度以上の方々に対して行われているという点に留意が必要です。日本なら大学病院に入院レベルの患者の結果ということです。 次に斜視や複視に対する効果です The effect of teprotumumab infusion on ocular alignment in patients with symptomatic thyroid eye disease Author Charles Zhang MD et al Journal of American Association for Pediatric Ophthalmology and Strabismus Volume 28, Issue 4 August 2024, 103959 2020年4月から2023年9月にかけて、中等度から重度のTED患者19人の医療記録を遡及的にレビューし、各診察で検査を実施し、眼位異常の変化を測定した。 結果として、19人中11人が斜視と複視を呈していましたが、治療後、73%の患者で斜視が改善し、46%の患者で複視が完全に解消されました。 改善しなかった患者の一部は斜視手術を受けました。 Comment 斜視、複視についてもかなり良い反応を示しているようですね。従来のパルスや内服だと複視の改善はここまで無かったと思いますので、これもまた新しい治療として非常に嬉しいものになります。なにより斜視角を減らせる効果があるであろうことが読み取れますね。 次に、ドライアイ症状についてはどうでしょうか UCLAからの論文です Investigative Ophthalmology & Visual Science June 2022, Vol.63, 3997 – A0339. doi: The Effect of Teprotumumab on Ocular Surface Symptoms in Thyroid Eye Disease Author Mario Cale et al. 甲状腺眼症(TED)患者の最大85%にドライアイ症状がみられるが、テプロツムマブがこれらの症状にどう影響するかは不明です。本研究は、テプロツムマブがTED患者の主観的および客観的な眼表面疾患症状を改善するかを検証しました。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校のTED患者を対象に、テプロツムマブがOcular Surface Disease Index(OSDI)スコアに与える影響を調査。治療群と未治療の対照群を比較しました。 テプロツムマブ治療群は、OSDIスコアが有意に減少(15.4ポイント減少, p=0.002)。しかし、客観的なドライアイ症状の改善には差が見られませんでした。 テプロツムマブは主観的な眼表面症状を改善するが、物理的な検査結果には限定的な影響しか及ぼさない可能性があります。 Comment ドライアイスコアは改善するものの、あまり顕著な効果は出ていないようです。ともあれ、眼球突出が改善すればドライアイ症状の改善があるのは当たり前ですね! 発症から長期間たった方々への効果について Effects of teprotumumab on patients with long-standing, active thyroid eye disease Author Kyle B. Vinson Am J Ophthalmol Case Rep. 2022 Jun; 26: 101348. 本研究は、9か月以上TEDの症状を抱えた5人の患者にテプロツムマブを投与し、その効果を観察しました。 このうち2人の患者は、以前に放射線療法を受けたが効果が見られなかった者です。 結果は、全5例ともに、各眼で少なくとも2mmの眼球突出の改善が見られ、臨床活動スコア(CAS)は少なくとも2ポイント減少しました。 特に、眼球突出の改善幅は右眼で平均4.5mm、左眼で4mmに達し、複視もすべての症例で改善しました。 眼瞼裂開大も、5例中4例で改善が見られ、1例は完全に解消されました。 これらの結果から、テプロツムマブは長期にわたり活性化したTEDの患者にも有効であり、特に眼球突出と複視の改善に顕著な効果を示しました。 また、以前の眼窩放射線療法が無効だった患者でも改善が見られたことから、放射線療法が無効な症例にも有効な可能性が示唆されます。 さらに、眼瞼裂開大(ラゴフトルモス)もほとんどの症例で改善され、患者の生活の質の向上に寄与しました。 テプロツムマブ治療による副作用は比較的軽度で、筋肉の痙攣や軽度の聴覚障害などが一部の患者で見られましたが、全体的には良好な忍容性を示しました。 Comment これがまさにテプロツムマブの存在意義でもあると思います。ステロイドなどの既存の治療法に対して抵抗性のあるTED患者への画期的な治療薬になるのですね。素晴らしい効果が期待できます。 テプロツムマブを行った後の再活性化についての論文 Reactivation After Teprotumumab Treatment for Active Thyroid Eye Disease Author; Catherine J Hwang Am J Ophthalmol. 2024 Jul:263:152-159. Cathyも元UCLAですね。僕がUCLAに居た時にナンバー3のドクターでした(笑) 2020年5月から2021年5月の間にテプロツムマブ治療を受けた活性甲状腺眼症の患者を対象とした研究。 主要な評価項目は再活性化で、これはプロプトシス(眼球突出)が2mm以上増加し、治療前のレベルに2mm以内に戻ること、かつ臨床活動スコア(CAS)が2ポイント以上悪化することと定義されました。 研究には合計21人の患者が含まれました。テプロツムマブ治療後の長期的なプロプトシスの平均改善は1.57mm(範囲:-3〜4mm)でした。 最初の17人の反応者のうち、8人(47%!)に再活性化が見られ、2人(12%)はプロプトシスのみが再発しました。 全体で21人中7人(33%)が研究期間を通じて反応を示しました。 再発までの平均時間は12.25か月(範囲:2〜22.5か月)でした。 どのサブグループにおいても最終訪問時に複視の有意な変化は見られませんでした(P = 0.68〜>0.99)。 テプロツムマブ治療後2年以内に、最大で33%の患者が持続的な反応を示しました。 プロプトシスおよびCASの悪化は、80%の再発において病気の再活性化と関連していました。 テプロツムマブ治療は、複視の長期的な改善にはほとんど効果がないようです。 Comment 47%にTEDの再活性化がみられること、再発までの期間が12カ月であること、再活性化しても複視は悪化しない(つまり軽度の再発に留まる?)ということが分かりました。TEDへの特効薬になり得るのですが、再活性化・再燃があり得る。しかも高い割合で、、、、という結果でした。 以上、日本での発売間近のテプロツムマブ(商品名テペッツァ)の効果について解説しました! 参考になれば幸いです!
詳しくみる甲状腺眼症のコントロール、入院パルスなど非常に患者の負担の多い治療でした。 我々はトリアムシノロンを眼窩に注射することにより多くの患者さんを月に1回の通院でコントロールすることが可能です。 今回、トリアムシノロン注射の成績、合併症をまとめた論文を前橋院長の山名先生が投稿してアクセプトされました。 ご興味のある方、よろしければご一読ください。 論文について
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