公開日:2019.02.07
最終更新日: 2023.12.28
へこんだ眼(眼球陥凹)への治療~眼窩骨折整復術
へこんだ眼(眼球陥凹)への治療「眼窩骨折整復術」
いままでのブログでお示しした通りバセドウ病眼症による眼球突出への治療は、おそらく日本でダントツに手術をやっています。最近は遠方からもいらしていただき、先ほども九州からお問い合わせをいただきました。
凹ませるのは得意、では逆はどうか。実は眼球陥凹に対しての治療も得意にしています。眼窩骨折は骨の減圧術とは逆に、外傷(ケガ)によって目の周りの骨が折れて、眼球が凹んでしまった状態を指します。
「眼球陥凹(がんきゅうかんおう)」とは?
「眼球陥凹(がんきゅうかんおう)」と読み、「陥凹」とは、へこんだ状態やくぼんだ状態を示す医学用語です。つまり、眼球陥凹とは、目がへこんだ状態やくぼんだ状態を指します。
外傷はなんでもあり得るのですが、殴り合いの喧嘩、体育のマット運動で自分の膝があたったり、スポーツで競り合ったときに他人の肘や頭が当たったり、野球のフライを取ろうとしてボールが目に当たったり…
多種多様な理由で眼窩骨折が起きるのですが、問題はしっかりと治せるドクターが少ないことです。眼窩の手術を集中して経験できるような施設はほとんど存在しないため、経験が蓄積されないままになってしまうのです。
眼窩骨折の原因について
これらの原因は目に衝撃を受けたために、眼の周囲の奥の方の骨が折れて、眼の奥の筋肉や脂肪などの組織が移動してしまうことです。これは押し入れに綺麗に布団が入っている状態に例えると、眼窩骨折では襖が倒れ布団が外に飛び出している状態と言えます。
その時に筋肉が引っ張られればダブって見える症状になり、脂肪などの目の後ろの組織が脱出すれば目が凹んで、小さくなってしまいます。これが眼窩骨折の主たる症状です。
また亀裂骨折が起き、その部位に組織が挟まれると閉鎖型骨折という状態になり、血のめぐりが悪くなって組織が壊死を起こしてしまうため早期の手術が必要になります。
眼窩の組織を元の位置に戻すことが大事
押し入れの中にある布団で例えると
1.正常時
2.綺麗に整頓されている
3.布団が外へ飛び出す
4.眼窩骨折の状態
5.眼窩骨折の治療
ドクターが勘違いしがちなのですが、眼窩骨折で大事なことは骨を治すこと、ではありません。眼窩の組織(内容物)を元の位置に戻すことが大事なのです。
よくある手術での間違いとして骨の代わりになる人工のプレートを折れた骨の上に置いてくるだけというものがあります。これだと何も戻せていないので手術をやった意味がありません。骨を治すためにプレートを入れる、ということを条件反射のように行うと何一つ改善の無い状態になってしまうのです。
正しく治療しないと、眼球陥凹がなかなか治らない場合も
また折れた骨から脱出した眼窩脂肪も適切に元に戻す必要があります。骨は綺麗に治っていても脂肪をそのまま置いてきてしまったため、眼球陥凹が治らず悩んでいる方の診察をしたことがあります。
ありとあらゆる手術後の患者さんを診てきましたが、綺麗に治せているなあと思ったのは一握りでした。
(みんな、問題あるから来院するので当然なのですが)
実際の眼球陥凹(がんきゅうかんおう)の治療症例
約20歳女性・転落事故
自宅マンション5階から転落、顔面多発骨折にてB大学病院形成外科で整復手術。半年後に眼窩骨折整復術と下眼瞼の陥凹に対して脂肪移植を施行しています。
左眼球陥凹が治らず浜松のC病院、群馬県のD病院を受診するが手術を断られ、最終的にD病院から当院へ紹介受診となりました。
B大学病院で2回手術をされていますが、左眼の重度の眼球陥凹が残存しており、左右非対称の顔貌となってしまっています。また下眼瞼へなぜか脂肪移植されているためこれも左右差を助長する原因となっています。
CTでは再建手術を2回されているものの、骨壁を治すことが出来ていないため、眼窩の断面積が縮小していません。これが眼球陥凹の大きな原因でした。
手術は白目(結膜)の切開から行ったため、皮膚に傷は残っていません。人工骨で足場を作り、その上にプレートが乗せました。
術後のCTを見ると眼窩の断面積が正常である右に近づいているのが分かります。
へこみ目、くぼみ目の治療症例
人工のプレートを挿入した症例
術前
眼球陥凹があり、わずかだが上眼瞼に影が出来ており、眉毛よりまぶたが凹んでいる。
術後
まぶたが膨らみ、影が無くなり、眉毛よりまぶたが突出している。
ヒアルロン酸を注入した症例
術前
上眼瞼がくぼみ、影が出来て眉毛の位置よりも眼球が後ろにあることが分かる。
術後
眼球が突出して影が消失し、眉毛の位置と眼球の位置がほぼ同じになっている。
治療料金の目安
3割負担1割負担
眼窩(がんか)骨折整復術
約90,000円もしくは高額医療費にて計算ー
プレート挿入(両目)
¥1,056,000
ヒアルロン酸注入
¥249,700
上記の金額はすべて税込表示です。
まずはお気軽にご相談ください
眼形成手術の研修を最初に受けた聖隷浜松病院・眼形成眼窩外科では非常に多くの眼窩骨折を短期間に集中して手術させていただきました。そのおかげで眼窩骨折の手術はある程度安定した結果を出すことが出来るようになりました。
いままでに眼窩骨折がきれいに治らず、眼球陥凹が出てしまった方をたくさん見てきました。眼窩骨折による眼球陥凹で悩んでいる場合には是非ご相談ください。
改善できるかもしれません
このように他院手術後であったとしても改善させることは可能かもしれません。眼球陥凹の後遺症に悩まれている方がいらっしゃったら、是非一度ご相談ください。
お電話はこちらから
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公開日:2019.02.04
最終更新日: 2024.04.10
全身麻酔手術のリスクを
正しく理解していますか?
全身麻酔手術にもリスクはある
手術や麻酔は、気を付けていたら必ず安全に終わる、というものではありません。
例えば全身麻酔を行って、その間に死んでしまう可能性もあるため、全身麻酔の前に常に患者さんに説明をさせていただいています。全身麻酔を怖がる方もいますし、お子さんが手術必要であった場合に親御さんが躊躇する場合もあります。
麻酔科学会の調査によると、100万人に1人と低い確率
ただ麻酔をかけたことに起因する死亡率は麻酔科学会の調査によると全身が健康であれば100万人に1人しかありません。高血圧などの軽度の全身異常がある場合は100万人に6人です。
宝くじの場合は、10万人に1人の確率
宝くじで1000万当たった人は少ないと思いますが、それでも10万人に1人だそうです。
全身麻酔で死ぬ確率がいかに低いかがお分かりだと思います。
ちなみに1億円の宝くじは500万人に1人。東京ドーム満杯を100回くらいしてその中の1人だけしか当たらないようです。
交通事故の場合は、10万人に2.79人の確率
これに対して2018年の交通事故死亡者数3532人、人口10万人あたり2.79人だったようです。
これは年間の数字ですから、一生でどのくらいのリスクなのでしょうか。
現在の平均寿命は84.2歳(2016年)ですから、2.79×84.2とすると235人となります。
つまり人口10万人あたり235人が交通事故で死ぬのです。1万人あたり23.5人、1000人あたり2.35人、426人に1人が一生のうちで交通事故死するということです。かなり多い人数だと思いませんか??そして、このリスクをどれくらいの人が認識しているのでしょうか?
全身麻酔でそのまま死んでしまう確率は?
全身麻酔で死んでしまう確率はかなり少ないと言えます
全身麻酔で死んでしまう確率はかなり少なく、交通事故死の可能性の2000分の1程度だということになります。
飛行機に乗ると、墜落が怖い、という方もいらっしゃると思います。それでも海外に行きたいときはどうしても飛行機に乗らないといけませんよね。航空機事故の事故死率はなんと470万分の1だそうです。
全身麻酔は、過度に怖がる必要がないということがお分かりいただけたでしょうか??
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公開日:2019.01.27
医療を飲食店に例えると
タイトルをみて、クエスチョンマークが浮かんだ人も多いと思います。
どの医療機関にかかるときも患者さんは不安です。
それは自分自身がどこかに受診するときを考えるとわかります。
歯科でも内科でも耳鼻科でも、その医療機関の診断レベルはどうなのか、治療の技術レベルはどうなのか、必死で感じ取ろうとしている自分がいます。
やはり自分の身体を任せるとなると、出来るだけ完璧なチョイスをしたいと思いますよね。
それは当然です。
特に米国やシンガポール、台湾など他国の眼形成外科を見学しているので
眼形成についていえば、日本国内の状況がとても追いついていないと感じるからというのもあります。
他の記事でも書きましたが、飲食店に行くのが好きなので
よく飲食店に例えて話をするのですが、
どんな食べ物が好きですか?という質問に「ステーキが好きです」と言ってみたところで
ステーキならどんなのでも良いわけでは無いですよね?
そもそもシチュー用の硬い肉を厚切りにして焼いたって、「ステーキです」って言いきれば
それはステーキなのかもしれませんからね。家庭のステーキだと中までウェルダンにしてしまうことはよくあります。
眼形成、専門にしている看板があれば良いわけではありません。
それは「がん」でも「眼瞼」でも「美容」でも一緒です。
例えばラーメン屋の味もピンキリですが、医師の技量も同じくらい幅があるのです。
これは意外と皆さんご存知ないし、意識していないと思います。
自分の身体を任せられるドクターを見つけてもらえたらと思います。
2018年手術実績 3046件(うち眼瞼下垂1238件 )
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
「1時間で分かる 甲状腺眼症入門パンフレット」
https://oculofacial.page.link/pamphlet
kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B07MS9HNSH/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_NJ8pCbV9B21VS
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公開日:2019.01.27
医療を飲食店に例えると
タイトルをみて、クエスチョンマークが浮かんだ人も多いと思います。
どの医療機関にかかるときも患者さんは不安です。
それは自分自身がどこかに受診するときを考えるとわかります。
歯科でも内科でも耳鼻科でも、その医療機関の診断レベルはどうなのか、治療の技術レベルはどうなのか、必死で感じ取ろうとしている自分がいます。
やはり自分の身体を任せるとなると、出来るだけ完璧なチョイスをしたいと思いますよね。
それは当然です。
特に米国やシンガポール、台湾など他国の眼形成外科を見学しているので
眼形成についていえば、日本国内の状況がとても追いついていないと感じるからというのもあります。
他の記事でも書きましたが、飲食店に行くのが好きなので
よく飲食店に例えて話をするのですが、
どんな食べ物が好きですか?という質問に「ステーキが好きです」と言ってみたところで
ステーキならどんなのでも良いわけでは無いですよね?
そもそもシチュー用の硬い肉を厚切りにして焼いたって、「ステーキです」って言いきれば
それはステーキなのかもしれませんからね。家庭のステーキだと中までウェルダンにしてしまうことはよくあります。
眼形成、専門にしている看板があれば良いわけではありません。
それは「がん」でも「眼瞼」でも「美容」でも一緒です。
例えばラーメン屋の味もピンキリですが、医師の技量も同じくらい幅があるのです。
これは意外と皆さんご存知ないし、意識していないと思います。
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公開日:2019.01.27
医療を飲食店に例えると
タイトルをみて、クエスチョンマークが浮かんだ人も多いと思います。
どの医療機関にかかるときも患者さんは不安です。
それは自分自身がどこかに受診するときを考えるとわかります。
歯科でも内科でも耳鼻科でも、その医療機関の診断レベルはどうなのか、治療の技術レベルはどうなのか、必死で感じ取ろうとしている自分がいます。
やはり自分の身体を任せるとなると、出来るだけ完璧なチョイスをしたいと思いますよね。
それは当然です。
特に米国やシンガポール、台湾など他国の眼形成外科を見学しているので
眼形成についていえば、日本国内の状況がとても追いついていないと感じるからというのもあります。
他の記事でも書きましたが、飲食店に行くのが好きなので
よく飲食店に例えて話をするのですが、
どんな食べ物が好きですか?という質問に「ステーキが好きです」と言ってみたところで
ステーキならどんなのでも良いわけでは無いですよね?
そもそもシチュー用の硬い肉を厚切りにして焼いたって、「ステーキです」って言いきれば
それはステーキなのかもしれませんからね。家庭のステーキだと中までウェルダンにしてしまうことはよくあります。
眼形成、専門にしている看板があれば良いわけではありません。
それは「がん」でも「眼瞼」でも「美容」でも一緒です。
例えばラーメン屋の味もピンキリですが、医師の技量も同じくらい幅があるのです。
これは意外と皆さんご存知ないし、意識していないと思います。
自分の身体を任せられるドクターを見つけてもらえたらと思います。
2018年手術実績 3046件(うち眼瞼下垂1238件 )
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
https://www.oc-tokyo.com/wp/
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
「1時間で分かる 甲状腺眼症入門パンフレット」
https://oculofacial.page.link/pamphlet
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https://www.amazon.co.jp/dp/B07MS9HNSH/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_NJ8pCbV9B21VS
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公開日:2019.01.27
医療を飲食店に例えると
タイトルをみて、クエスチョンマークが浮かんだ人も多いと思います。
どの医療機関にかかるときも患者さんは不安です。
それは自分自身がどこかに受診するときを考えるとわかります。
歯科でも内科でも耳鼻科でも、その医療機関の診断レベルはどうなのか、治療の技術レベルはどうなのか、必死で感じ取ろうとしている自分がいます。
やはり自分の身体を任せるとなると、出来るだけ完璧なチョイスをしたいと思いますよね。
それは当然です。
特に米国やシンガポール、台湾など他国の眼形成外科を見学しているので
眼形成についていえば、日本国内の状況がとても追いついていないと感じるからというのもあります。
他の記事でも書きましたが、飲食店に行くのが好きなので
よく飲食店に例えて話をするのですが、
どんな食べ物が好きですか?という質問に「ステーキが好きです」と言ってみたところで
ステーキならどんなのでも良いわけでは無いですよね?
そもそもシチュー用の硬い肉を厚切りにして焼いたって、「ステーキです」って言いきれば
それはステーキなのかもしれませんからね。家庭のステーキだと中までウェルダンにしてしまうことはよくあります。
眼形成、専門にしている看板があれば良いわけではありません。
それは「がん」でも「眼瞼」でも「美容」でも一緒です。
例えばラーメン屋の味もピンキリですが、医師の技量も同じくらい幅があるのです。
これは意外と皆さんご存知ないし、意識していないと思います。
自分の身体を任せられるドクターを見つけてもらえたらと思います。
2018年手術実績 3046件(うち眼瞼下垂1238件 )
群馬大学 眼科 非常勤講師
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