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下眼瞼があっかんべーに
なりやすい理由①

ハムラ後にあっかんべーになる原因

当院では下眼瞼の術後あっかんべー(正式には眼瞼外反といいます)の修正手術も行っています。昨今、大手美容外科がこぞって目のクマの手術を宣伝している関係で下眼瞼の手術の件数が大きく増えているのだと思います。

上眼瞼と下眼瞼というのはミラーイメージと言われているのですが、解剖学的構造が似通っているので理解しやすいのですね。

ただし上眼瞼と下眼瞼では大きく異なる点があります。それは重力のかかり方です。
上眼瞼にかかる重力は眼瞼そのものや眼瞼の皮膚をそのまま真下に引っ張る力として働きます。

ですから垂れた分だけ切除すればいいのです、非常に簡単な話です。術後に眉毛が下がってきて再手術する必要性が出ることも多く、つまり低矯正になりやすいのですが、基本的にはやりすぎることはほとんどありません。

一方で下眼瞼にかかる重力は非常にやっかいです。下眼瞼は下眼瞼だけの重力を支えているのではないのです。その下にある頬部の皮膚・軟部組織すべてを支えなくてはいけません。そこそこ重量のある構造が下眼瞼の下にあるということを想像してください。

一方で下眼瞼を上に引っ張る力のある組織というのはわずかに外眥と内眥に腱があるだけです。例えて言えばハンモックみたいな構造になっています。通常であれば下眼瞼だけの重力を支えているだけなので、人の乗っていないハンモックを想像してもらえたらと思います。

とりあえず頬という非常に重量のある組織が下眼瞼の真下にあり、下眼瞼は目じりと目頭の非常に心もとない構造で支えられているということを理解してください。

その上で下眼瞼の皮膚を切りすぎたり、内部が瘢痕化したりすると、それまでは骨や側頭部の筋膜などにぶら下がる形になっていた頬の組織の重量が直接下眼瞼にかかるようになるのです。

下眼瞼はハンモックみたいな構造になっていると書きましたが、ハンモックような構造なので下にひっぱる力には非常に弱いのですね。ハンモックに超肥満の人が乗ったような状態を想像してください。

ベッドの足など、中央に重量を支える構造があればいいのですが、ハンモックにはおデブさんは乗っちゃダメですよね。

両側にある支柱が壊れちゃいますし、壊れておデブさんは地面にたたきつけられてしまいます。
まさに、これが下眼瞼が外反になりやすい理由になります。

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